第十五回ふわふわラジオ（１）
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(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜！』
上「こんばんは！ 巻き起こせ愛のハリケーン！ 『ふわふわラジオ』MCの上崎茜（CV.瀬戸麻沙美）です！」
柴「いくぜ正義のタイフーン！ 『ふわふわラジオ』MCの柴山蒼汰です！」
上「いぇーい！」
柴「いぇーい！」
上「柴山さん今日ノリノリだね」
柴「上崎さんが頼んできたんじゃないですか！ これ言えって！」
上「いやまさか、やってくれると思わなかったし」
柴「実は毎週、ちょっと楽しそうだなと思って見てたんですよね」
上「相方に憧れられる女……上崎！ さあ第15回もフルスロットルでいきますよー！」
(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜！』
(CM)
(曲)「One Last Kiss（宇多田ヒカル）」
上「さようなら、全てのエヴァンゲリオン……」
柴「終わっちゃいましたねえ」
上「ところであれってエヴァンゲリオン？ ヱヴァンゲリヲン？」
柴「いや喋りじゃ分かんないですけど。多分標記のこと言ってますよね？ あれは新劇場版シリーズが旧字体とか使ってるほうで、それ以外は普通の標記らしいですよ」
上「あ、そーなんだ」
柴「というかこれ系の作品って大体そうですけど、ガチファンが滅茶苦茶拘ってるだけで意外と制作陣からしたらどうでもいい要素多いってのありますよね。この標記がそうなのかは知りませんが」
上「エヴァはロボじゃないってファンが拘ってたら監督がエヴァはロボでしょwって言った話？」
柴「そんな感じですね」
上「まあ制作陣、って言っても複数人関わってる時点で一枚岩じゃないしね。多分、明確な作者が一人だけ存在する小説とか、漫画とかそれくらいじゃない？ 世界観のこだわりが完璧なのって」
柴「そうなのかもしれませんね」
上「シンエヴァの映画、見た？」
柴「見ましたよ」
上「どうだった？」
柴「面白かったけど二度と見ないですね。脳破壊されたんで」
上「どういうこと？」
柴「正直冒頭からアスカと某男性が付き合ってるのかばっか気になってて内容３割も入ってきてないです」
上「（爆笑）あー、あれね！ 確かにあたしも驚いたわ」
柴「終わりの諸々も、僕の中では公式が並行世界説で通してますからね未だに。あんなの剪定事象でしょ」
上「そこまで言うか」
柴「そもそも僕、恋愛を最後まで描き切るタイプの作品心がキュウっとなるので苦手なんですよね」
上「心が、キュウっと」
柴「なりません？」
上「うーん分かんねーなあ。いや、ニュアンスは実は分かる、けど、それが恋愛ものを読む楽しみじゃないの？」
柴「ふっ、わかってないですね上崎さん」
上「あ？」
柴「それは現実の人間関係で普段から心がキュウっとしてない人間の感想ですよ。僕のように普段からキュウキュウしてばっかの人間からすれば、創作の世界の中でくらいは平和でほのぼのな関係ばっかり見ていたいのです」
上「あれ、なんだろう。ちょっと可哀想になってきた」
柴「失恋した主人公やヒロインの心情描写とか読んだ後二日は立ち直れないですし、作中好意を寄せていた以外のキャラと結婚したヒロインの後日談とか見ると自分の中で展開を捻じ曲げ始めますね」
上「あ、エヴァが初めてじゃないんだ」
柴「瀬尾浩二さんの作品とか、絵もキャラも好きですけど別作品で過去シリーズの未来の姿とか出てくるんで正直読めませんし……なんで主人公とラブコメしてたヒロインが他の男と仲良くやってる展開見なきゃいけないんですかね」
上「しっかり読んでる奴の感想なんだよな。いやほら、失恋したーで終わるとさ、その人が不幸になったとこで終わるわけじゃん？ 色々あったけどちゃんと幸せを掴みましたよっていう、ほら、サービス展開のつもりでは？」
柴「他の男と幸せになってる女、見て楽しいですか？ こちとら主人公にがっつり感情移入済なんですよ」
上「過激派だ」
柴「その点ハーレムものは安心ですね、出てくるキャラ皆失恋しないんだろうなと安心して読めますし。創作の中の出来事なので倫理観とかも忘れ去ってますから一夫多妻とか問題ナシ！」
上「割り切りがすげー」
柴「上崎さんはあんまそういうの無いですか？」
上「いやまあ、あたしも色んな感想を抱きながら、特に恋愛モノなんかは見てるけど、そこまで苛烈な拒否感とかは無いなー。あ、でもなんか、女性主人公のイケメン恋愛ものは苦手かも」
柴「え、女性でそれは、珍しいんじゃないですか？」
上「いやー今どきはそうでもないんじゃないかな？ 特に、LGBTQとかって価値観が一般的なモノだって受け入れられ始めてるわけだし。女性はみんなイケメンが好きだってのは偏見になりつつあると思うぜ」
柴「まあそこまでは思ってないですけど、でも上崎さん異性愛者だっつってませんでしたっけ」
上「うーん、いや、実はあんまり」
柴「そうなんですか？」
上「いや、だから同性が好きって話でなく、こう、あんまり恋愛感情を抱いたことがない、が正確なところかな。性欲はガンガンに抱くんだけどね」
柴「いやそんな、強調しなくていいですけど……」
上「あとあたしほら、モテるから？」
柴「はあ」
上「来る者拒まずだったからとっかえひっかえだっただけで」
柴「ああ……言い方はちょっとアレですけど、少しわかりますね」
上「柴山さんもとっかえひっかえしてたタイプ？」
柴「いや全然そんなことはないですけど。恋愛感情抱かない、の部分に理解できたというか」
上「ソッチかよ。でもそうか、わかるか」
柴「なんでしょうね、好きな人は普通にできるんですけどね。なんて言うのか、好きになってほしいだけというか。私のどこが好き？ と聞かれたら説明できてしまうというか。そして最終的には顔とか言っちゃいそうというか。付き合ったら外に出したくなくなるというか」
上「いやそこまで赤裸々に語られると困るんだけど最後のは特にどういうこと？ 怖いわ」
柴「なりません？ 独り占めしたく」
上「まあ、それはなるかもしれないけどさ」
柴「彼女ができると、周りの男みんな彼女を狙ってる敵に見えません？」
上「あたし女だけど、まあ、分からなくもない、か……？」
柴「寧ろ女友達に会う時ですら嫉妬しません？ もうなんて言うか、僕だけを見ててくれ？」
上「怖いよやっぱ」
柴「まあ要は、そんな感じなので、自分が感じている気持ちが好意なのかただの独占欲なのか、それこそ性欲なのか分からなくなるんですよね。みんなどうやって判断してるんでしょうか」
上「長くなりそうなのでCM行きまーす」
（CM）
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