ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第十二回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

「こんばんは! 君のハートをダブル・ブレイク! 『ふわふわラジオ』のMCと言えば、あたし、上崎茜(CV.今井麻美)です!」

「序盤から何言ってるのかさっぱりでしたよ上崎さん。柴山蒼汰です。」

「前回のジャストスナイプが好評だったからね。新しいの考えてきたのよ」

「その声で一度は聞いてみたかった台詞、とか言われてましたね。しかしダブルブレイクって、デュエマやってんじゃないんですから」

「あたしの語彙は大体アニメから来てるからね」

「最初のうちの非オタク設定何処行ったんですか?」

「こんなラジオやってる時点で今更でしょ。さてさて、第12回、始めますよっと!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「nexusClariS)」

 

「なんか聞いたことはある気がするなー。多分、ClariSだよね?」

「お、正解です。PN『見た目はオトナ、心はコドモ!』さんからのリクエストなんですけど」

「厄介オトナじゃん」

「『上崎さん、柴山さん。こんばんは』」

 

二人「「こんばんはー」」

 

「『Clarisファーストアルバム、BIRTHDAYより、nexusをリクエストします』」

「ふむふむ。バースデイの、ネクサス」

「はい。『このアルバムが、最初の二人クララとアリスが高校入学する時に出たものらしいんですが、それが2012年の話だそうで。最近ふと曲を聞いたときになんだか時間の流れを感じて、リクエストさせていただきました』」

「娘の成長を感じるお父さんじゃん。心はコドモなのに」

「コドモにしては礼儀正しいですよね」

「ところでClariSってメンバー途中で入れ変わってたよね? 確か」

「そうですね。アリスがユニットから卒業して、現在はクララとカレンの二人体制だったかと思います」

「成長を見守ることができないパターンもあるということか」

「推しは推せるうちに推しておけ、ということですね」

「誕生日と言えばさ」

「なんで誕生日というんですか?」

「アルバム名」

「あ、はい」

「あたしずっと悩んでることがあってさ」

「なんか喋り出し雑ですね。用意してました?」

「最近フリートークでダレること多いから日頃から話題考えてるのよ」

「偉い、MCの鑑。で、悩みっていうのは」

SNSの普及もあって、何々さんの誕生日です! みたいなの、結構分かるじゃん。あれ、どこまでお祝いしてる?」

「どこまでって言うのは人脈の幅的なアレか、はたまた贈り物の量的なアレか」

「んー、まあ、どっちもかな」

「まあご時世的なものもあるでしょうが、平常時だとしたらですね。僕は、ご飯に誘える友人は一か月くらいのうちに何人かで飲んだりする、そうじゃなければ気づいた人にはSNSでおめでとうする感じですね」

「気づいた人には、か」

「です。そもそも誕生日とか基本的には覚えてないので、なんか通知来てるなーってなったら一言送る感じ? Facebookとか、ほんとに友達と言えるのかって人でも登録してると通知来るじゃないですか」

「ほんとに友達と言えるのかって人にも送るってことね」

「そうですね、気づけば」

「なるほどなあ」

「ごはん誘う仲なんて片手で足りるくらいしかいないので、ほぼほぼ僕はそのパターンです。上崎さんは?」

「んー、ほんとに悩んじゃって。大学居た頃とかは、普段から会ってる人で特に仲いい人は小物プレゼントして、それ以外にもみんなリプ送ってたんだけど。逆に今は誰にも一切やってないんだよね」

「いっつも極端ですねあなた」

「いやだってさ、SNSだと特に、誰かにおめでとうって送ったのみんなから見れるわけじゃん? その上で仲いい誰かを忘れてスルーしちゃったりすると、あいつ私には送ってくれないんだへーってなっちゃうじゃん? それが怖くって」

「考えすぎじゃないですか?」

「あたしが実際に何度もなっているからさ」

「あっ」

「祝ってもらえずいじけて、でもなんとなくみっともなく思えて実はアピールしてもいない自分がまずいて、なのに八つ当たり気味な自分が一番嫌で」

「おめでたい日にとんでもなくネガティブ」

「だからほんとに仲いい人にLINEで送る以外一切無視状態なの。でもそれも悪いじゃんねー……だからどうしようかなって」

「でも実際、ある程度仲いい人以外から来ても、正直対処に困りません?」

「まあね。ありがとう!(誰だ?) ってなってること実はよくある」

「そう考えると仲いい人を祝ってればそれでいい気がしますが」

「そっかー。あ、じゃあさじゃあさ、仲いい人に送るLINEのおめでとう、その時間ってどんな感じ?」

「はい? 時間?」

「何時頃送るか」

「えー、いや、あんまり考えたことないですけど」

「だって日付変わってすぐ送ると、こいつあたしの誕生日どんだけちゃんと覚えてるんだよキモって思われるし、後でって思ってると意外と忘れるし」

「忘れるのは分かっちゃいますね。いや、別に気持ち悪いとは思わないですよきっと。思い出したら即送りましょうよ」

「あたしは思うもん」

「さいですか」

「日頃から若干好意のある目を向けてきてる男とかから日付変わってすぐ来たらなんだこいつと思うもん。というかそんな奴にあたしのバースデイ初おめでとうを奪われたくないわ」

「めんっどくさ」

「でもまあ、いっか。そうだよね。しょうがないよね、男なんてそんなもんだし」

「なんの話をしてるんですか、なんの」

「まあその辺は置いといて、実際好きだから誕生日覚えてるわけだし。別にいいのか」

「結論の理由謎ですけど、僕はいいと思いますね」

「因みに柴山さんの誕生日いつなの? 番組内でのお祝いくらいはしてあげるよ」

「9月25日です、楽しみですね。上崎さんは?」

「7月23日」

「(無言)」

「ちょうど先週の放送日だったのに、祝ってくれなかったね」

「罠じゃないですか、くそっ! やっぱり用意してきてたんだ!」

「くっくっく……『見た目はオトナ、心はコドモ!』さんありがとう! あたしはこれで、柴山さんに貸しを一つ貯めたぜ!」

「くっそー、いや、これは流石に僕が悪い……番組プロフィールに書いてる筈ですもんね。いやー、おめでとうございます。26になったわけですか」

「いや? 25になったよ」

「え? でも、25ってプロフィールに、ってかそれ以前に前25って」

「あ、あれ嘘。大体25だしいっかーと思って」

「プロフィールに信用置けなくなってるじゃないですか」

「あとプロフ見ても誕生日書いてないよ、非公開にしてたから」

「言われなきゃわかるかーっ!」

「柴山さんキレたから、~しばらくおまちください~」

 

(CM)

 

 

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