ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第七回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

上「こんばんは!『ふわふわラジオ』のお時間でーす。MCは上崎茜(CV.種崎敦美)と」

柴「柴山蒼汰でお送りします」

上「あっついですねー」

柴「そうですね。先週ほどではないですが、十分普通に暑いですよね」

上「もう夏なんじゃない?」

柴「その可能性はありますね。梅雨も夏みたいなもんですから」

上「ただのツッコミ放棄なのかボケの重ね着なのか微妙なところだな……さて、やっていきましょうか第七回! です!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「needLe(Leo/need)」

 

上「遂に来たわね。遂に、その、何?」

柴「何、とは?」

上「ボカロ枠なのか、音ゲー枠なのか」

柴「どっちもでしょう。ついでにバンド枠でもありますよ」

上「そしたら女子高生枠もでしょ。あっいやこの辺パスパレでやったやつだ!」

柴「しまりました。あっちはアイドル色が強かったからなあ」

上「しまった! の丁寧バージョン絶対それじゃないと思うよ」

柴「日本語って難しいですねえ」

上「そこがいいんだけどね、日本語」

柴「バンドといえば、僕も高校生の頃とかすごい憧れてましたねえ。僕は男子高校生でしたけど」

上「いや、そりゃそうでしょ。別にバンドは女子高生だけの特権じゃないよ。というか、憧れてたってことは、やってはいない?」

柴「はい。学校に軽音部とかはあったんですけどね、そもそも僕集団行動苦手なんで無理でした」

上「あー……わからなくもないね」

柴「そもそも僕楽器できなかったし歌いたかっただけなんで楽器をやる気も無かった。その状態でバンドやろうぜ! って言っても、こいつ自分の歌に伴奏欲しいだけでは? って思われそうだったのもあります。実際そうでしたし」

上「滅茶苦茶歌上手いのなら意外と文句も出なかったんじゃない?」

柴「下手ではないと思ってますけど、そこまででは無いですからねえ。更に加えて、当時は今以上にアニメオタクだったので、お前学園祭とかでアニソンやるんか……? っていうのもありました。まあつまりは、やる理由をやらない理由が上回っちゃったんですよね」

上「あるあるだねー。あたしも例えば、このラジオの話貰った時にさ。基本当日だけ話せばいいなんて超好条件だったからなんも考えず引き受けられたけど、例えばこの曜日に企画会議をしますとか。例えば仕事を辞めなきゃいけないとか。考えることが多ければ多いほど、理由を付けて断っちゃってたかもしれないなー」

柴「挑戦ってものは如何になんも考えないで飛び込めるか、ってとこはありますからね。ただ、本当に何も考えていないとまず失敗するので、勝算を持って何も考えないという激ムズジャンルですけど」

上「馬鹿ほど強いわけじゃなく、馬鹿になれる人ほど強いというかね。あれ、もしかしてこれ暴言?」

柴「意図は伝わると思いますよ。因みに、上崎さんは音楽は? なんか歌上手そうなテンションしてますけど」

上「歌上手そうなテンションって何? まあ、うーん。今はそれなりに歌えるよ」

柴「昔は違ったと」

上「うん。音程がとれないというか、歌ってるつもりなのにずっと平坦なタイプの典型的な音痴だったよ。ほんとに小っちゃい頃はね、だけど、それを憐れんだ母親がピアノ習わせてくれてねー。それやってるうちに、なんか音痴も治った」

柴「そうやって治るんですか音痴って」

上「不思議だよねー。なんか、プロセスっつーか、こうこうこういう理由で上手く歌えるようになるんだよみたいなのもあったんだけど、普通に忘れたや。でさ、上手く歌えるようになるとさ、聞いてほしくなるじゃん?」

柴「バンドやりたがってた僕が言うのもアレですが、なんで?」

上「いや人間の根源的な欲求でしょ。あたしを見ろ! あたしの歌を聞け! っていう」

柴「なんか上崎さん、性別に関する話とかした時もそんな感じでしたよね。なんというか、目立ちたがり屋?」

上「いや、つーかあたしはみんなこうだと思ってたのよ。可愛く着飾れたら自慢したい、面白いこと思いついたら聞いてほしい。上手く歌えたら見てほしいし、知ってほしいし、褒められたい! 寧ろ違う人もいるのかなーって最近漸く理解してきたというか」

柴「いやまあ、その根本的な部分は一緒なんじゃないですか? 誰に褒められたいかの違いだけで」

上「一人でも多くの人」

柴「1,000人のモブよりたった一人の大切な人なんでしょうね他の人達は」

上「たまに詩的な言い方するのはバンドへの憧れが消えてないからだったりする? あとモブは流石にひでーでしょ」

柴「主観的には、ですよ。でもじゃあ、僕以上にバンドとかやりたかったんじゃないですか」

上「柴山さんと同じ結論にもっと早く至ったのでバンドという選択肢は初めから無かったなあ。みんなで協力して一つの物を作り上げよう! ほど苦手なことはないからね」

柴「まあその気持ちはめっちゃわかりますけど。でもじゃあなんというか、フラストレーション溜まったりしませんでした?」

上「した。したから、一人でやろうと思ったのよ。知ってるかい柴山さん、最近の世界にはなあ。『歌ってみた』という素晴らしいジャンルの動画が溢れているんだぜ」

柴「いやそりゃ知ってますが。おお、じゃあ動画投稿者の道をいくわけですね」

上「時に柴山さん、著作権っていうものを知っているかい?」

柴「あなた私のことを無知マンだと思ってませんか? 知ってますよ……あ、まさか」

上「まさか、って先を促しても無知マンとかいう謎単語の困惑はスルーしないよ? 何?」

柴「いいから」

上「いいからって……まあ、うん。あたし、徹底的にリスクを避ける人間なので。プラスで今よりまだ情報というか、入門書みたいなサイトが無い時代だったのもあってね。どんな機材がいいかとか、著作権に絶対引っかからない方法は? とか調べてるうちにめんどくさくなっちゃったい」

柴「典型的な挑戦しない人のパターンですね」

上「さっきの話題に帰ってきたね。ただいま!」

柴「おかえり。でもあれ実際めんどくさいですよねえ」

上「大学でさわりだけ勉強したことがあるけど、法律って、ガチガチなように見えて曖昧というか『解釈の余地』を残してるのが多いんだよね。その癖大量にあるから把握しきれない。一見大丈夫そうだけど、こっちの法律からすればアウトで、でも解釈次第ではギリセーフとも言える……みたいな、本当に嫌い!」

柴「深く頷いたところで一旦CMです」

 

(CM)

 

 

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