ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第三回ふわふわラジオ(1)

 

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』 

 

上「皆さんこんばんは! 『ふわふわラジオ』も第3! MCその1のほう上崎茜(CV.悠木碧)ですよろしくお願いしまーっす!」 

柴「MCその2芝山蒼汰ですよろしくお願いします 

上「また今週も放送日がやってまいりました 

柴「そうですね」 

上「はい」 

柴「……」 

上「なんか話題ありませんか?」 

柴「三回目にして早くも話題が消えましたか」 

上「いやだってオープニングトークって一番難しくないですか。そもそもこの番組終始フリートークみたいなもんなんだから、一回一回すごい勢いで話題のストックが削られてくしさー」 

柴「そうですね。取り敢えずタイトルコール行きましょうか」 

上「そうだねお願いします!」 

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』 

(CM) 

(曲)「キラキラ(小田和正)」 

 

上「誰の曲?」 

柴「小田和正さんです」 

上「あー……なんか聞いたことあるかも」 

柴「曲を?」 

上「名前を」 

柴「まじですか 

上「や、前も言ったけど、あたしそんな歌とか詳しくないし。ボカロとアニソンばっか聞いてるし」 

柴「まあ、僕も父の影響で聞いて、知ってるんですけどね」 

上「世代じゃないんだ」 

柴「現役の方の話で世代じゃない、とはなかなか失礼ですよ……父の運転する車でよく聞いてたんです。どこかへ遊びに行った帰り、夜の車で、Aメロをうとうとしながら聞いて。すごいですよ、眠い状態であのサビ聞くと。なんていうか、すっごい幸せな感じになるんです」 

上「へー……体験してないからちょっと分かんないけど、かなり思い入れがあると」 

柴「歌手で選んで曲聞くことがほぼないので、小田さんの曲を多く知ってるわけじゃないんですけど……この曲は未だに、たまに聞きたくなりますね」 

上「思い出に連動した曲ってあったりするよね 

柴「上崎さんもありますか」 

上「んー、曲名も何も分かんないんだけど。学校の、掃除のときに流れてた音楽は、今でもたまに口ずさんじゃうなあ」 

柴「掃除のときに? どんな感じなんですか」 

上「なんていうか、掃除の時間ですよ~みたいな理由だったのかな。校内放送でずっと流れてたのよ。は~あっは~ああ~っはっあ~あ~あ~って」 

柴「それ歌詞ですか?」 

上「いやメロディーだけ。はに~おお~お~はっあ~あ~お~ 

柴「(笑)なんで微妙に歌詞っぽいんですか」 

上「なんかこんな感じだったと思うんですよねえ」 

柴「上崎さんの学校で流れていた曲に心当たりある人は、是非おたよりをください」 

上「おねがいしまーす! 誰か分かるかなあ」 

柴「分かんないでしょうね」 

上「やっぱり?」 

柴「そもそも今学校の掃除って自分たちでやるんですかね」 

上「やるんじゃない? えっ、やってないのかな」 

柴「なんか今の学校って、我々いた頃と大分変ってますからねえ。何が変わっててもおかしくないかなと」 

上「まあ確かに……知ってる方いたらおたよりくださーい!」 

柴「おたよりに頼りきりの番組だ……」 

上「まだ一通しか来てないけどね。先週の」 

柴「上崎さんが先週の放送で募集の呼びかけ忘れるから……」 

上「あたしのせい? 柴山さんだってしてなかったじゃん。まー時間も無かったしね」 

柴「まあそれは置いといて。なんで学校こんなに変わったんでしょうね? 僕たちの頃と両親の頃には、聞いた限りあんまり変わりが無かったのかなと思うんですが」 

上「いや~あたしたちが知らないだけで、結構変わってたんじゃないの? ほら、体育の時の、ブルマとかさ」 

柴「上崎さんブルマ世代でしたっけ」 

上「なんでやねん。柴山さんより下だもん。そんなわけない世代でしょ」 

柴「あれは不思議ですよね 

上「あれ?」 

柴「ブルマの存在」 

上「まあ、あれこそ最大の男女差別だよね 

柴「昔もっと男女差別が酷かったころに作られた物だろうから、今の基準で穿り返すのはあんまり意味ないんでしょうけどね」 

上「今使ってないんだからそれでいいじゃん、といえばそう。でもさ」 

柴「はい?」 

上「ブルマ、布の量とか位置的にさ。ほぼ下着じゃん?」 

柴「まあ、そうかもですね」 

上「それはよくないとなったわでしょ? 

柴「そうですね 

上「女性のビキニってさあ」 

柴「(笑)」 

上「あれほぼ下着だよね。なんであれはいいんだろうね」 

柴「いや、ほんとに。それ言ったら男性もですよね、水着 

上「海で履いてるようなダボっとしてるのはセーフでも、ピッチリしたやつえっろいよね。でもガチで泳ぎたい人は、それ履くじゃん?」 

柴「僕、陰キャなんで高校くらいまでずっとピッチリしたのしか持ってなかったんですよね」 

上「今度一緒にプール行こうか」 

柴「流石にもう持ってますよというかセクハラ! 

上「女から男へのセクハラは逆に比べて微妙に問題にならないのも変な話だよねえ」 

柴「今セクハラしたばかりの人が言うセリフじゃあないですけどね」 

上「まあさ、理論的にはわかるよ? 体育で、学校の校庭。住宅街の真ん中か、或いはコンクリートジャングルか。そこで下着みてーなもん履いてるのがなんか嫌と。それはすごくわかる。でもなんでビキニはいいってさ、おんなじ人がさ、言ったりするんだろうね」 

柴「ほとんど同じなのに?」 

上「しかもブルマのほうが下着履いてて、それ自体は隠れてるのに。いや水着だって布ぺら一枚じゃあないけど、それでも防御力的には水着のが弱いじゃん? なのに海ではアピールタイムで、学校では見るな変態! なのけっこう不思議だよね」 

柴「上崎さんはそうではないと?」 

上「ダサいからブルマは嫌だけど、あたしはそれだけだからね。というかあたしは参考になんないよ、常にアピールタイムを探してる人間だもん。この美貌を! 見ろ! 

柴「多分、それじゃないですかね」 

上「ん? 顔の話?」 

柴「いや、タイミングの話。自分からアピールしたい、見てほしいってタイミングならある程度良いけど、日常の中でエロい目で見られるのは普通に嫌みたいな感じ」 

上「あー 

柴「誰も彼もが上崎さんみたいに常にアピールタイムな人生を過ごしてはいないってことじゃないですかねえ」 

上「じゃあ町の人達は、道を歩いてる時とかにあーなんかイケメンにナンパされねえかな!スカウト来たりしねーかなー! とか考えてない、と?」 

柴「そんなこと考えて生きてるんですか。多分、ね」 

上「えー」 

柴「だって、そういう上崎さんだって、ちょっとコンビニで酒買おうって家の電気点けたまま外出た時にナンパされたら邪魔じゃないですか? 

上「……確かに。黙れあたしは家に帰るぞってなるね」 

柴「まあ例えは上手くないですけど、そんな感じなんじゃないですかね。今じゃねーんだわ!って」 

上「なるほどなあ」 

柴「CMです」 

 

(CM) 

 

 

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