ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第二十二回ふわふわラジオ(2)

 

「アイドルの冠バラエティーって結局MCにいる芸人との相性で成否が決まるよねって話です」

「まー他のアイドル番組見てないからなんとも言えないけどね」

「逆にMC芸人にとっても、素人上がりみたいなアイドル達をどう使って面白くするかの実力が問われる難しい仕事なのではないでしょうか」

「やっぱ三四郎ってすげーわ」

「結論そこですね。さて、ところで曲リクエストのおたより読んでないんですが」

「アツくなりすぎたね、反省、反省」

「えー、今日の曲はPN『素数を愛する男』さんからのリクエストです、ありがとうございます」

「数学者とかだったらすごいんだけど、絶対22/7に絡めた名前にしようとしか考えてない人間じゃん?」

「しっ! 多分そうですけど口には出さないのっ! 失礼でしょ!」

「あっ、いっけね!! てへぺろ!」

「死語では?」

「早く読め」

「はい。というわけでね」

「はい」

「『上崎さん、柴山さん! こんばんはー』」

 

二人「「こんばんはー」」

 

「『夜な夜な泣きながら22/7卒業メンバーのyoutubeを徘徊している僕がやってきましたよ』」

「こっわ」

「『IDOLY PRIDEをプレイしながら』」

「それ確かアイドル物のゲームじゃ?」

「はい。アニメとかもやってましたね」

「この浮気者ぉ!」

「『違うんです、僕は、みんな等しく好きなんだ!』」

「それを浮気者というのでは!?」

「『まあそんなわけで22/7より曲をリクエストします。僕としては最新曲の覚醒や、彼女たちに出会った頃に発売された理解者なんかが思い入れ深いのですが、22/7は歌唱メンバーが毎回違うので……採用チャンスに捻じ込むならこれしかない、と思いました』」

「大丈夫だよ。リクエストなんてほどんど来てないから、捻じ込むとか考えんでも結構採用されるよ。多分」

「えーっと、ああ。初期メンバーの11人なんですね? この曲」

「初期メンバーって言葉がどの時を指すのかも怪しいグループなわけだけど……まあそうね。最初2曲くらいの頃は8人分しかキャラクターがいなかったから、3人は半デビューみたいな状況でね。漸く11人でのシングルを出せたこの曲のすぐ後には、ニコルちゃんが、その、新キャラになったから。確かに、初期メンバーの曲と言ったらこれか」

「すごく今更ですけども、本当に詳しいですね」

「そんな、まあまあよ」

柴「そしてその謎の謙遜も何なんです? えー、『因みに僕の推しは滝川みうちゃんです。西條さんも同様に、同様にと言うか、他のメンバー以上にあそこはキャラと声優が一心同体ですよね。そういうとこも好きです』」

「計算中でも検算中でもみうちゃんは西條ちゃんだし西條ちゃんはみうちゃんよね」

「因みに計算中がバーチャルアイドルとしての番組で、検算中が中の人達としての番組です」

「そう、か。あたしの中では常識だったけど、リスナーさんにとってはそうとは限らないのか」

「自分の趣味なんかを語るうえでは気を付けていかないといけない部分ですよね」

「特にこのラジオは、濃ゆいオタクばっかおたより寄越すからなー感覚麻痺してたわ」

「うーん否定はし辛い偏見」

「まーでもそのまんま生きていっちゃうとTPOを守れないオタクになってっちゃうからね、気を付けないとね」

「TPOを守るってとこが上崎さんのウリですもんね」

「うん」

「で、続きを読みますけども」

「あ、まだ終わってなかったんだ。ごめん」

「そんな、とっとと終われよ長いんだよみたいな言い方」

「してないよ」

「はい。『それで、好きだからこそ思うんですけどね。欅坂の件と言い、秋元さんって、突出した個性をセンターにおいて話題を作りながら扱いきれなくなって放置するのが趣味なんでしょうかね?』」

「やめなさい。ほんとにやめなさい」

「『学習しないのでしょうか』」

「やめろ!」

「はい」

「いいかなんちゃら素数さん。あのね、世の中にはね、逆らっちゃいけない相手っていうのがいるのよ。中でも逆らっちゃいけない代表格でしょあの人は、それ以上はいけないぜ」

「代表格とまでですか」

「だってそーでしょ。どんだけ生きとんねんっつー話よほんとに」

「その言い草のほうが失礼では?」

「いや勿論、生きてるっつーのは業界で、というか界隈で、というかね? それこそ芸人で言う明石家さんみたいなさー、レジェンド枠でしょ? もうさ」

「でも本当にすごいですよね。ヒットメーカーというか」

「ああいうプロデュース業でずっとい続けるってのはすごいわよね。作品作りとはまた違ってさ、後から評価されるみたいな世界じゃないから、常に最先端を走って流行を作ってる側なわけでしょ?」

「なんか、あれですね。はるか昔の成功体験を引きずってどや顔してる老人どもに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいですよね」

「おおう、なんか言い方がおっかないわね。でも、たしかに。その成功体験に新たな何かを加えて、常にアップデートし続けてる方ってことだろうからね」

「で、グループのセンターの話に戻るわけですけど」

「戻っちゃうかー。いや、でもさ。平手ちゃんの時も、みうちゃんに関しても、別に失敗してるわけではないからねえ」

「そうですよね。そこがちょっと、素数を愛する男さんとは見解が違うかもしれません」

「結局アイドルグループとしての成功と言ったら、どれだけ知ってもらうかと、下世話だけどそっからどれだけ稼げるか、になっていくわけだからね。突出した個性が他を引っ張る形だろうと、その人のグループだのって言われても売れれば成功なわけだから」

「そして、扱いきれなくなって放置と言いますけど、それもちょっと、いや言いたいことは分かりますけどね。グループとして売れたらあとはそこからは個人次第みたいなとこもありますから」

「まあ欅は本当に中心に負担が行き過ぎてたみたいなイメージは確かにあるけどねー。詳しくないから、あくまでイメージだけどさ」

「その点みうちゃんはなんというか、ちょっと負担かけたらすぐ潰れてしまいそうな感じがするというか、僕らが心配する前からすっごい支えがしっかりしてますよね」

「これ私たちは褒めてるし、すっごいいい印象で喋ってるけどどう聞こえてんのかしら? 心配なってきた」

「応援の仕方は人それぞれですから許されるといいのですが。番組は誹謗中傷撲滅を願っています」

 

(CM)

 

 

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