ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第二十二回ふわふわラジオ(3)

 

「今週もうずっとアイドルトークでもいい?」

「まあ、元々何の番組か製作スタッフも誰一人として分かってないとこありますから。何か話したいことあるんですか?」

「さっきの22/7の話でさー」

「特定の一グループに関するアイドルトークじゃないですか。22/7ラジオかよ」

「これは寧ろあたしたちが22/7なまである、いや無いけど。それでさ、なんちゃら素数さんはセンター批判みたいなんしてたけど、じゃあ他に誰がセンターだったらよかったのかな? っていうさ」

素数を愛する男さんですよ。上崎さんいっつもペンネームちゃんと覚えるのに今週全然ですね」

素数って言葉のインパクトが強すぎて」

「そうですかね」

「で、センターよ。今更だけど、柴山さんも22/7は分かるんでしょ?」

「本当に今更ですね。アニメは見てないですけど、バラエティーのほうは見てましたよ。YouTubeもいくつか」

「よしよし。あ、聞いててわかんないリスナーさんはぜひ、後で見てきてくださいね。計算中の1st seasonはアマプラとかで見れたはず」

「運営の手の物ですか?」

「よせやい。ただの三四郎ファンだよ」

「話ころっころ変わってるんで戻しますけど、うーん、たしかにみうちゃんはセンターじゃなくてもというか、逆に後ろに隠れてるくらいのほうがコアなファンがついたかもって気はしますね」

「勿論、センターの今もなんというか、パフォーマンスの時のギャップが大変素敵なんだけどね。普段はみんなのフォローに助けられてる子が、みんなを引っ張ってってる! すげー! みたいな」

「俺だけが魅力を分かってるんだぜ、って優越感もファンには大きいんですよ。なんかそんな話昔もした気がするんですけど」

「マイナーアイドル推しのあたしの弟の話した時だね」

「そうでしたそうでした。うーん、あと今回卒業するメンバーについては、あんまり想像できないかもです」

「都ちゃんとジュンちゃんのよさはなんてーか、自由さによる感じだからねー。センターとしての重荷というか、そういうので良さが死んじゃいそうな感じはある。つぼはつぼだよ」

「なんなんでしょうね。つぼの存在感は」

「朝の情報番組で若者代表として出るコメンテーター枠というか、家庭教師ヒットマンREBORN! の雲雀恭弥枠というか」

「はい?」

「人とはちょっと違う目線みたいな?」

「うーん、分かるようなわからないような。でもセンターとは違いますか」

「リーダーも、二番手の位置にいるからこその回し役みたいなもんだったからね」

「東条ちゃんもつぼに近かったですかね?」

「そうかもなー。普段は元気キャラの印象が強いんだけど、突然ぼそっと確信をつくの好きすぎるのよね」

「あ。もしかしてですけど、これ、立川ちゃんでは?」

「あーそれだ。解決したわ」

「よし」

「残りのメンバーもそれぞれセンター張れそうだけど、みうちゃんと同じで、グループの色が変わりそうな気がするのよね。その点立川ちゃんって、唯一、どの立場にいてもどんな状況にあっても立川ちゃんでいられて且つ、周りに影響を及ぼしすぎないというか」

「彼女は彼女で完結出来てる感ありますよね。なんか褒めてるように聞こえないんですけど大丈夫ですか」

「超褒めてるじゃないの。そもそもの話をすれば、今のセンターを差し置いて他に誰がって話してる時点で失礼だから大丈夫よ。大丈夫じゃないのでは?」

「よし。やめときますか」

「そーね。まーなんというか、人間ってさ。向き不向きがあるじゃない? でも意外と、向いてないと思ってたことで意外な良さが発揮されたりするもんだって言う感じの話ってことで」

「というか、そもそもですけど。アイドル=センターが固定みたいなイメージって、いつからなんでしょうかね?」

「うーん。確かに、今も別にそうじゃないグループなんざいっぱいいるのにね。ジャニーズとかも、嵐なんかが曲ごとに違ったし、センターですっ! って主張が強くなかったし。そもそも奇数人数でのパフォーマンスに限らないしね」

「いや、僕もあまりアイドルに詳しいわけじゃないんですけどね? アイドルのイメージなんてモーニング娘。とか、あ、AKBでしょうか」

「その可能性はあるなー。人気投票制!」

「1位がセンターとか売りになってましたもんね、たしか」

「あとアニメのアイドルものなんかもセンターを置く印象があるなあ。センターってか、主人公ってか、メインキャラってか。一人だけイラスト載るときとかに選びやすいようになんだろうけどね」

「それこそ素数を愛する男さんのやってるゲーム『IDORY PRIDE』なんかは、2グループのセンターがW主人公みたいな感じだったり、これも多様化していますけどね」

「ま、所詮は売り出す側の戦略の話でさ。どうあったって結局は、ファン一人一人に推しがいて、どのポジションにいたってそのファンにとっては推しが真ん中というか推ししか目に入らないんだから考えるまでもないとも思うけどね」

「おお、たしかに、言われてみればそんな気がします」

「あたし箱推ししかしたことないから分かんないけど」

「ええ」

「広く浅く派のあたしにとって単推しはなかなかリスクが高いのよ、沼にはまって出られなくなるからね。箱推しなら、こう、我慢が利く」

「そういうものですか」

「間違ってもガチ恋勢にならないから」

ガチ恋勢。やっぱりいるんでしょうか」

「え? いや、いるでしょ。そもそもアイドルを単推しする人なんてガチ恋勢ばっかじゃないの?」

「怒られますよその偏見」

「というか、狭く深く派の柴山さんもわかる話かと思ってたわ」

「僕の推しは、大体その、次元が一つ違うので」

「あ、はい。そーね」

「というか上崎さんの理論で行くとVtuberとかのファン全員意味不明になっちゃうじゃないですか。中身とガワが違うんですから」

「そーよ。割と理解できてない」

「うん、えー、誰か誤解といてくれるといいですね」

「おたより募集しとこーね。アイドルでもなんでも、その人単体が推しだけどガチ恋じゃないなって人! どういう感覚なのか教えてけろっ!」

「いま僕久しぶりに炎上の心配してますよ」

「だーいじょうぶでしょ。あ、時間だ」

「ですね。今週はアイドルの話ばっかりでしたが、なんというか雑食なラジオです。皆さんからのトークテーマなども、おたより募集しています」

「ぜひぜひ! それではまた次回、ばいなーら!」

 

(ED)

(曲)「番組テーマソング(fhana)」

 

 

phonicgain.hatenablog.com

※番組のトップページはこちら