第八回ふわふわラジオ(3)
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柴「番組スタッフの皆さん、本当にありがとうございます。僕たち二人は皆さんの支えのおかげでこうしてラジオで喋れています」
上「お、もしかして!」
柴「見つけてきてくれましたよ。先週の、曲リクエストのおたより!」
上「おーありがたい! でも先週柴山さんが紹介し忘れてること指摘できてなかった辺りあたし達と同罪だよねみんな」
柴「わーおみんなすっごい申し訳なさそう」
上「いやー重ね重ね申し訳ない、トゲトゲ流星群さん。あたし達スタッフ一同の誠心誠意を以て、先週のおたよりを読ませていただきます。GO、柴山さん!」
柴「あんまりハードル上げるのもどうかと思うんですが。えー、『上崎さん、柴山さん。こんばんは』」
二人「「こんばんはー」」
柴「『私がリクエストするのはLeo/needのneedLeという曲です。これは、プロジェクトセカイカラフルステージ! というスマホゲームの作中バンドの曲で、ボカロPのDECO⋆27さんが作詞作曲をなさっています』」
上「あ、そうだよね。DECO⋆27さんの曲ってなんか、透明感と言ったらいいのか、清々しい気持ちになれるの多くていいよね」
柴「『私の青春時代は、バンドやスポーツに憧れながらも教室の隅にいるうちに過ぎていってしまったので、今でも漫画やドラマで青春ものを見ると憧れと、少しの嫉妬を覚えます。それでも今度こそ、私もキラキラするんだ! と思うことで、社会人生活を頑張れているようにも思います。お二人にも、自分の生活に影響を受けた作品などがあれば教えてほしいです』」
上「あー、まず、内容全く悪くなんてなかったです! おたよりありがとうございます。というわけで、うーん影響を受けた作品かあ」
柴「生活に影響、って言われると僕はちょっと難しいかもしれないです。趣味とその他はきっちり分けるタイプなので」
上「あー、そうなんだ。じゃあ柴山さんには後程、二次元ライフに影響を与えた作品を聞くとして、あたしはねー……『羽月莉音の帝国』っていうライトノベル小説」
柴「え、まじですか? オタクだオタクだとは思ってましたけど、遂に僕の知らない作品が出てきた」
上「あたしも確か、友達に借りて読んだんだけどね。いやー10年以上前に読んだ作品だから細部は曖昧だけど……ざっくり言うと、高校生の主人公たちが、会社を設立してお金を稼いで国を作ることを目指すお話。差別のない国を作りたいとかだったかな」
柴「へえ。俺TUEEE系ですか?」
上「いやいや。確かにフィクション特有のご都合展開とかはあるけど、ファンタジー要素ほぼ無しの現代社会が舞台よ。莉音が世界を回ってた経験があるとか、なんだっけ名前、主人公の幼馴染が超美人とかそれくらいじゃないかなフィクション要素」
柴「美人ってのは存在がフィクションみたいなもんですからね。主人公は莉音サンとは別人?」
上「羽月莉音はなんつーか、カリスマ性のある……主人公のいとこ? あれあれ、『天元突破グレンラガン』の、カミナとシモンみたいな感じ」
柴「またオタクにしか分からない例えを」
上「序盤の展開がたしかね、雑用みたいな仕事をしつつ小銭と信用を得て、超美人幼馴染の写真集で荒稼ぎして、会社設立して、なんやかんやあって小っちゃい株式会社の筆頭株主になって……みたいな。最終的に国を作れたんだっけ? 一歩手前までだっけ?」
柴「大分曖昧なのは伝わってきました」
上「敵対的M&Aって言葉が当時中学生くらいだったあたしにはかっこよくてねえ……ってそれは兎も角。受けた影響ってのは思考の仕方、無理だって言わないで挑戦していけば、きっとなんとかなるってこと」
柴「ほうほう」
上「勿論、素人の写真集で会社設立できるほどは稼げないでしょうし、トンデモ展開も多い作品だった。けど、絶対無理ってわけじゃない。現に今の時代、SNSを上手く利用すれば、昨日まで素人だった人が人気も、お金も得られる可能性がある時代になってる。無謀を推奨してるわけじゃないよ、無理だって思う自分の中のストッパーを、勇気で開けることが一番大事なんだなって。きっと無理だって躊躇を無くしてから、現実と向き合い、本当に無理なのか? を考えるべきなんだなって。上手く言えてねー!」
柴「自分への言い訳が減った? とかですか」
上「どうだろう! 先週したバンドの話とかも、結局は挑戦しなかったわけだしね私。でも、なんていうか、小さなことにいっぱい挑戦するようになったかな。この作品で学んだことはもう一つあってさ、物事には段階があるっていうこと」
柴「段階ですか」
上「さっきも言ったけど、無謀を褒めてるんじゃないのよ。大きなゴールを目指すなら、地盤を固めて、身近にあるものを生かして、生かせるだけの基礎を作っていかなきゃいけないなって。だから、なんだろう……無駄だからやめとこうが無くなった、かも?」
柴「もしかすると、上崎さんの広く浅く精神が影響受けてるかもですね」
上「あ、そうかも! なんか、これも何かに繋がるかもしれないとか、これはアレに生かせるなって思考ができるようになったかな。とは言え繰り返しますが、読んだのもう10年も前だし。作者の意図とは全然違う受け取り方を私がしちゃってる気も、ちょっと、しているので。興味ある人は読んでみて感想を送ってくれると嬉しいかなーって」
柴「取り敢えず僕読んでみますね。なんか、想像できないので」
上「説明下手でごめんよ……」
柴「まあそれもありますけど」
上「あるのかよ。否定しろよ」
柴「ずっとラノベ畑で生きてきたのもあって、現代社会が舞台の経済モノ……で、いいんですよね?」
上「だと思う。基本、国を作る目標に向けて、お金をどう稼いぐかって話だったと思うから」
柴「そういうのあまり読んだこと無かったので、純粋に興味があります」
上「嬉しいん、だけど、あの」
柴「はい?」
上「ごめん。長々と語りすぎて、柴山さんの作品紹介の時間が」
柴「ああ、まあ、秒で終わりますからいいですよ。『とある魔術の禁書目録』、これもラノベですが、まあ読めばわかります。文字だけでここまで世界を作り込み、読者に伝えられるんだと初めて衝撃を受けた作品です、是非」
上「ごめんねー……因みにあたしもアニメで見た! 好き!」
柴「ぜひ原作でも読んでみてほしいですね。そんなわけでお時間です」
上「色々バタバタしていてごめんなさい! おたよりお待ちしています!」
柴「今後は紹介し忘れとか絶対に無いようにしますので、お願いします。ではまた来週」
上「ばいなーら!」
(ED)
(曲)「番組テーマソング(KOTOKO)」
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