ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第八回ふわふわラジオ(2)

 

「なんか終始アニメの話しちゃったやい」

「別のおたより読んでみましょうか」

「そうしよっか。って、あれ? 柴山さん、後ろうしろ」

「はい? ……あ、どうも。えー、なんか急にスタッフさんにおたよりを渡されたのでこれを読みます」

「なんだその忖度。まさかまた初代P?」

「あの人はもういいでしょ。えー、PN『トゲトゲ流星群』さんからのおたよりです」

「痛そう」

「『上崎さん、柴山さん、こんばんは。先週、リクエストしていたneedLeを流していただきありがとうございました』」

「あー! え、あのリクエストの! ……そんな名前だったっけ」

「『でも、何故か、おたより読んで貰えなかったんですけど』」

「えっ」

「あっ」

 

(長めの無音)

 

「『書いた内容が悪かったのかもしれません、ごめんなさい。ですので、今回はトークテーマをリクエストしたいと思います。お二人の好きなスポーツ漫画は何ですか?』」

 

(短めの無音)

 

「いや、待って、あの、トゲトゲ流星群さん、待って。多分だけど、あなたは悪くない。内容に問題なんてなかったんだよ、だよね!? やっぱりスタッフ頷いてるもん大丈夫! ごめんなさい!」

「いやあ、僕が紹介し忘れたんですね。本当にごめんなさい。やー、早いですねやらかし……いや慣れてないからこそか? どっちにしても、僕のミスでした」

「あー、えー……よし。柴山さん、読もう」

「え、先週の?」

「そう。だって、内容問題ないんでしょ? そして私たちのせいで読まれなかっただけの、アツい、心を込めたメッセージでしょ? 読もう!」

「うーん、まあ、はい。そうですね。スタッフさん見つけられたら持ってきてくださーい……じゃあ探してる間今週のおたよりについて話しましょうか。好きなスポーツ漫画」

「アニメの話から漫画の話に移行したら完全にオタク向けラジオだよねえ」

「お? じゃあ、やめますか? トゲトゲ流星群さんからのリクエスト、無視しますか?」

「しませんよー好きな漫画ね! スポーツね! え、でも、なんだろう」

柴「あんまり読まないですか? ジャンル的に」

「そんなことないよ。ただ、何度も言い過ぎてしつこいけど、広く浅く履修する女であるところの私だからね。特別どれかに思い入れがあるかというとそれもなー」

「じゃあ、どんなのを読んできた、だとどうですか」

「そうだなあ。『MAJOR』『ダイヤのA(エース)』『おおきく振りかぶって』『さよなら私のクラマー』『エリアの騎士』『ブルーロック』『ハイキュー!』『神様のバレー』『はるかなレシーブ』、『黒子のバスケ』、『はねバド!』、『火ノ丸相撲』……」

「多い多い、ストップです! いやあ、ほんとに色々読んでるんですね?」

「片っ端から呼んでるよ。勿論スポーツもの以外も読むし、スポーツがメインと言えるか怪しいのも読むよ。『ぐらんぶる』ってあれ一応スポーツになるよね?」

「スキューバダイビングですよね、なると思います。まああれはギャグ漫画ですが」

「否定しにくい。あとさ、今だとほら、ゲームでもeスポーツって言ったりするじゃん? どっから何処までをスポーツと言っていいものなんだろうか」

「うーん……スポーツとしてゲームを楽しんでいるもの、とかですかね? ほら、世界観というか、ファンタジー色強いとあんまりスポーツっぽく見えないというか」

「『デュエルマスターズ』はクリーチャー実体化するからダメか。『遊戯王』の闇のゲームは? スポーツ?」

「あー、いや、どうでしょう……」

「『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』とか、あれはたしかスポーツとして楽しんではいないよね? 遊びの一環としてカードゲームをするのとかはスポーツになるんですかね?」

「もうよくわかりませんね。スポーツの定義、広すぎ」

「そしてここで切札を切るぜ! はい先生、『テニスの王子様』とか『イナズマイレブン』は、スポーツ漫画なのにファンタジー強くないですかーっ!? はい論破!」

「あれはバトル漫画なので論破失敗です」

「えっ」

「話を戻しますと、スポーツ漫画っていいですよね。練習や大会でバトル要素あり、中高生を主人公にすれば学園青春要素あり、プロになるまでを描けば伝記っぽくもなるし……強みしかない」

「あー、そうね。それに、それこそバトル要素強めたり、心情描写多くしたり、戦略要素を強調したりと同じスポーツでも差別化ができるし。マイナーなスポーツも増えてるから開拓もしやすい」

「勿論、これは読者が勝手に分析してるだけなので……作者に言わせれば何処が簡単なんだと言われそうですけど」

「多ジャンルに比較すればの話だよね。そもそもクリエイター様は全員神だから」

「当番組のスタッフも皆さん毎週ありがとうございます、神」

「それにまあ、スポーツものなら必ず面白くなるってわけでもないしね! あたしは好きだよ? 前作でバトルもの書いて売れてた作家が新ジャンルへの挑戦でスポーツもの描いて爆死してるやつ」

「それほんとに好きですか? 面白くなるわけじゃないって出した例のそれほんとに好きですか?」

「まあその話は置いといて、ね」

「最初からしないでください……」

「スポーツ漫画っていいよねの話だけどさ。あたし、さっき上げた漫画で、殆どのスポーツのルール覚えたなあって」

「ああ……それはありますね。僕も野球なんかは、ルールはなんとなく知ってましたけど、何が面白いんだろうって思ってたんですよ。それが『おお振り』でキャッチャーの思考とか作戦を読んでいく中で、面白さがわかったというか」

「あるよね! あたしは相撲だなー。なんか肉付きのいい男たちがぶつかり合ってるムサいスポーツだって、正直最初は思ってたけど。火ノ丸相撲で、戦略みたいなのがなんとなく見えるようになったり、それをねじ伏せるパワーの魅力に気づいたり……少なくとも、すぐチャンネル変えることが無くなったなあ」

「それはすごくいい話ですけど肉付きがいいって言い方なんかエロいのでやめましょう」

「うふふ」

「うふふじゃないが」

 

(CM)

 

 

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