ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第二十一回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

上「どーもどーも! MCの上崎茜(CV.南條愛乃)でっ、すっ、よっ!」

柴「ですよ。みたいになってますよ。あ、柴山蒼汰です」

上「選挙終わったねー!」

柴「終わりましたね。でも、またすぐありますよ」

上「参議院が来年夏だっけ? そんなにしょっちゅう言われても調べるの追いつかないわよね」

柴「普段から調べて、情報を集めとけってことです。無理ですけど」

上「無理無理。政治のことだけ考えてていいならできるけど、あたし達目の前の生活に必死なんだっつーのね! 真面目っぽい話から入ったけどいつも通りやっていくよ、『ふわふわラジオ』21回目! どーん!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「恋愛レボリューション21モーニング娘。)」

 

上「恋もしてー!」

柴「うーベイベー!」

上「仕事してー!」

柴「うーベイベー!」

上「ラブレボリューション!」

 

二人「「トゥエンティーワーン!」」

 

上「ほい!」

柴「神曲ですね」

上「歌詞うろ覚えだけどね」

柴「そんなわけで、PN『(四)十五の夜』さんからのリクエストでした! 21回目に相応しい曲ですね」

上「数字曲かー。あたしはあんま詳しくないけど、リスナーさん達知ってたらシリーズ化できるかしら」

柴「かもしれないですね」

上「ところで(四)十五の夜さんって前もおたよりくれた人だよね?」

柴「しゅわりん☆どり~みんをリクエストしてくれた人ですね」

上「あー! アイドルの人!」

柴「いやアイドルの人は別にいますから」

上「キャラ濃い奴ばっかりかよ」

柴「さて。おたよりを読みます。『上崎さん、柴山さん、こんばんは。お久しぶりです』」

上「こんばんは!」

柴「『21回目おめでとうございます』」

上「21回目でお祝いしてるようだともう毎回お祝いしそうだけど、まあ悪い気はしないわね。ありがとうございまーす」

柴「『今回に相応しい曲はこれしかないと思いました。今でこそアイドル全盛期と言えますが、私の時代のアイドル、中でもグループと言えば彼女たちがやはりトップ・オブ・トップ! 伝説のアイドルと言っても過言ではないでしょう』」

上「そーなんだ」

柴「『お二人のラジオの今後の更なる発展を願っています。そして伝説へ! だそうです。ありがとうございます』」

上「リスナーの野心がでけえ」

柴「まあ伝説は難しそうですけど、更なる発展ですか。新コーナーでもやりますか?」

上「新コーナーも何もいま現在何かしらのコーナー存在してないでしょ。フリートークふつおたの二本立てよ、毎回」

柴「だから、そこにこそテコ入れが必要だと思うんですよ」

上「うーん、じゃあどんなコーナーやりたいの?」

柴「そうですねえ。例えば……しりとり?」

上「それ聞いてる人楽しいと思うか?」

柴「うるさいなあ、分かんないですよ! 聞いてて楽しい話題なんて!」

上「ラジオマンとは思えない発言だな」

柴「リスナーさんに募集かければいいんじゃないですか!? もう!」

上「かけてるよ。初回から募集してるよ。でも来てないから今のままやってるよ。ほんと自助努力の足りねー番組だな」

柴「やれることはやったけどどうにもならなかったので諦めました。僕は精いっぱいやったんです! はい、そんなわけで、いつも通りやっていきますか」

上「言い訳がゴミ過ぎる」

柴「さてでは今回は、PN『正義を問う者』さんからのおたよりです。ありがとうございます」

上「ヤバい奴じゃん」

柴「いきなり失礼ですね?」

上「いや、だって、現実で正義を名乗る奴は視野狭窄の頑固者だって相場が決まってるでしょーに。しかもただの正義じゃないんでしょ、問うてんのよ? 誰によ? ヤバいよ、何言われるんだろーか」

柴「うーん分からないではないけどあまりにも失礼が過ぎるので僕はスルーします。『上崎さん、柴山さん! 私が、来た!』」

上「オールマイトさん!?」

柴「『私は昨年大学を卒業したばかりの、ぴっちぴちの新社会人です』」

上「思ったよりぴちぴちしてた!」

柴「オールマイトならムチムチしてますよね」

上「あれをムチムチって表現する?」

柴「『それであの、社会に出てびっくりしたことなんですけど、皆さん、ルールって知ってますか? 守らなきゃいけない物なんですけど』」

上「知ってますか? は草」

柴「『いや、絶対知らないですよね? じゃないと説明できないですよね? 上司に指示されたからやらなきゃいけない、法律に違反してでも! ですって。その発言は知ってたらできないですよね?』」

上「ヤバい人じゃないけどヤバい会社に捕まってる人だったか」

柴「『その理論で行くと私も上司の命令で法律違反に巻き込まれてるんですけど? バレた時の私の人生に責任持てるから言ってるんですよね? 助けてください』」

上「最後のが本音じゃん。ヤバいね」

柴「おたよりありがとうございますと言うだけのことでこんな気持ちになるとは。まず労基行きましょ」

上「はー。信用しないわけじゃないけど、やっぱりあるのかね。こういうのって」

柴「まあ、あるでしょうね。法律レベルの違反は兎も角、前ちらっと話しましたけど、現場の実情に即してないルールってあるじゃないですか」

上「あー。アレは確かに、ね」

柴「指導する立場の人間からすれば、守るべきもの、守らせる必要があるものなわけですよね。現場がどうあれ、それがルールなんですから。でも現場の人間からすれば、そんなことしてたらまともに仕事できないレベルの問題もあるんですよ。多分」

上「役所との仕事とかめちゃめちゃ大変だよね。書類出して、審査っていうかチェック入って、返ってきて次の書類来て。それ出すと向こうの内部での手続きがあって数日かけて返ってきて。実際にはこうなってるものがルール上は同日中にやることになってたりしてね!」

柴「僕らの努力でなんとかなる物は兎も角、ああいう組織って中でのやり取りに時間かかりそうですもんね」

上「しょうがないから日付を変えて……とかやるくらいならその手続きとルール無くしちまえよバーカ! って思ったことは一度や二度ではない」

柴「明日から仕事しにくそうですね上崎さん」

上「知るかー! どーせここで何言ったところで突然その通りルール変わったりしないからね。結局仕事なんて裏で文句を叫ぶことくらいしかできないのよ人間には。そうしてみんな、性格が悪くなっていく」

柴「悪循環ですねえ。若干の言いがかりっぽさはありますが」

上「こういう細かいルール違反の積み重ねが、法律だろうとちょっとくらいいいだろって思考にするんだろうしね。ちょっとくらいとかねーよ!」

 

(CM)

 

 

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第二十回ふわふわラジオ(3)

 

「社会人になってからさー」

「はい」

「理不尽だな、って感じる機会が凄く増えたのよね」

「理不尽、ですか」

「うん。学校ではさ、大学も含めて、正しいことを教わってきたのよね。正解が既に出ていること、これはこうですよって説明できること。社会に関しても、こういう制度がありますよって。今の社会はこうなっていますよってだけ。思い返せば先生の雑談で、実際はこうだけど実態はなかなか……って話もあった気はするけれど、テストの為に覚えるのは答えが一つしかないものだったから」

「ふむ」

「それが、社会に出たら突然変わったのよ。法律はこうですよ、ルールはこうなってますよってそれは変わらずある。でも、そうね。『解釈』ってものあるじゃない? 今までは法律の勉強でちょっと触れただけのその概念が、日常の至るところに出てくるようになった気がする。マニュアルがあるのに、その通りに行動したら融通が利かないって言われたり。同じような仕事なのに、時と場合と場所と人によって出る結論が全然違ったり。そんな時、学生上がりに毛が生えたような私としては、何度も理不尽だと感じていたわけよ」

「確かに。それこそ子供の頃の僕たちは、本当に守られていたんだなと思いますよね。学園祭なんかでお金を使うことになっても、先生とのやり取りだけで済んでいました。それが今や、部署の上司とやり取りして、組織の上とやり取りして、その上で実際に使うぶんをかき集める……まあそこまで行くと自分でやることはあまり無いですが、プロセスの多いこと多いこと」

「こう言っちゃなんだけど。学生当時は、先生なんてって悪く言ったり、信用できなかったりなんてことも、まー正直、あったんだよね。でも違うわ。社会で仕事をしていての、現場から離れたとこにいる上司とか、スポンサーに比べたら、学校の先生なんて家族みたいなもんだったわ。もうさ、元々人を信用しないたちだけど、周り全部敵に見えるのよ最近」

「それは一応同意しないでおきましょう。この番組僕の上司もチェックしますから。それで?」

「いやね。これだけ毎日理不尽に向き合い、理不尽とじゃれ合い、理不尽に抗って生きてるとさ。選挙で自分の意見が必ずしも通らない、って程度の理不尽、そよ風に感じるなっていう話よ。寧ろ自分の意見が反映される可能性あるだけ良心的だわ」

「お、おお。悟ってますね」

「そーだよ、良心的だよ! 一応管理委員会の下で、ルールに従って当選者が決まるのが選挙だもん! 上司の考え方や、スポンサーの利益で長年の準備が覆されたりしないんだよ!? 最高じゃんなあ!」

「上崎さん仕事でなんかありました? 荒れてますね?」

「いっつもあるよ! ずっとあるよ! まーでもそれは置いといてさ! はー、はー。えーっとなんだっけ」

「なんだっけも何も、CM明け突然話し始めたから僕まだ何の話か分かってないですよ」

「そうそう。だからさ、この理不尽な社会になれた人にとっては、選挙ってのは然程理不尽でもないし、無力感もそんなんでもないよなーって話。逆に学生とか、新社会人の皆さんからすると、自分一人が行ってもなーっていう気持ちになるんじゃないかと思って。だからこそ、関心が低くなってんのかなと思ったのよ」

「成程、そういう話でしたか」

「本当、社会は理不尽だよ」

「やっぱメイン論点そっちでは?」

「そりゃ、あたしの不満はそっちがメインだよ。選挙で思い出した感じ」

「大変ですねえ。僕もまあ、分かる部分多いですけど」

「なんか、曖昧なことが多いのよね。勉強では数学が好きだった人間としては、ここまでただ一つの答えがないことばっかりだと狂いそうになるわよ」

「特に、多様性の時代ですもんね。人の数だけ考え方があって、答えがある」

「まあ、だからこそ話が戻るんだけどさ。だからこそ、国の方針が、全体の方向性の持つ重要度が高まっていると思うのよね。自分の意見が通るか、思うとおりになるのか確信は無くっても、意思表示をしておくことは大事だと思うな」

「なんかいい感じの結論に着地できましたね。あの愚痴から始まって、まさかの」

「ね。まー行き当たりばったりで思ったこと喋ってんのはいつも通りよ」

「うーん、時間も微妙ですし今日は最後まで選挙トークでいきますか。僕昔から疑問なんですけど、選挙カーってあれどこに需要があるんですかね? クソうるせえんですけど」

「さあ。でもあれさ、テレビとかでさ。選挙カー乗ってきた候補者が、降りて、家の前とかでおじいさんおばあさんと握手し合って話してるシーンとか映るよね。すごいよねあれ」

「すごいとは? 上崎さん的には、マメな候補者だなあって印象受けるわけですか」

「いやクソうぜえなって」

「やっぱり?」

「うーん、昔の人たちの価値観からすると普通なんだろうか」

「特に地元議員とか、市長選とかだと人との繋がり重視だったのかもしれませんねえ。癒着とも言う」

「公務員の話とかも、昔の聞くとすごいもんねー。今とルールは変わんないはずなんだけど、おかしいなー?」

「やっぱり、政治家とか上のほうの人にも一般人の監視が必要なのかもしれませんねえ。公務員の健全化は市民の監視というか、関心が高まったからだって気がしますし」

「関心の高さとな。戻ってきたね、投票に行こう! って話に」

「関心の高さを示して、お前たちを見ているぞってプレッシャーを議員さんにも与えていきたいですね」

「一億総監視社会?」

「なんか聞いたことありますね、それ。前にどっちか言ったことありましたっけ?」

「多分ね」

「そのために必要な……ああいいや、総監視社会のほうじゃないですよ? 一般人による監視のためには、癒着のない、健全なメディアが必要なわけですけど」

「あたしはノーコメントだからな」

「僕も投票の誘導のつもりなんてありませんよ、今のメディアに全く癒着がないなんて思ってないですし」

「柴山さんの上司聞いてるんじゃなかったっけ?」

「まあほぼ公然の秘密ですもん、メディアに限らず。政治家にも限らず、プライベートな繋がりがある人と一緒に仕事をするのが普通……個人対個人なら兎も角、組織としてはこの価値観から変えていかなきゃいけないと僕は思っていますよ」

「これもあくまで柴山さんの個人的な感想ですからね? さて、念押ししたところでお時間です」

刀使ノ巫女ととじともよ永遠なれ」

「まだ言ってるし。じゃああたしも、みんな投票に行きましょー!」

「グッダグダだなあ、主に僕のせいですけど。あ、おたよりお待ちしています! それではまた次回」

「ばいなーら!」

 

(ED)

(曲)「番組テーマソング(江藤可奈美(本渡楓)、十条姫和(大西沙織))」

 

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第二十回ふわふわラジオ(2)

 

「寂しい」

「いつまで寂しがってんのよ。というか、前半いっぱい使って別れを惜しんだだけありがたく思いなさいよ」

「まあそれはそうですね。うん、よし、切り替えました。ではおたより読んでいきましょうか」

「そうしよう」

「はいでは、これ。PN『ボート推し』さんからのおたよりです、ありがとうございます」

「ありがとうございますー」

「『上崎さん、柴山さん。こんばんは!』」

 

二人「「こんばんはー」」

 

「『ふわふわラジオ、以前から聞かせてもらっていました! その中で一度、みんな、選挙に行こう! という会話があった気がします。思えばあそこから、お二人のトークに更に興味を持てたと思います』」

「そんな話したっけ?」

「僕なんとなく、一人の力じゃ何も変わらないかもしれないけどそれでも投票すべきだよねみたいな話した気がしますよ」

「真っ当なトークじゃん。あたしたちにそんなこと出来てたのか」

「僕は兎も角、上崎さんにもね。出来たんですね」

「は?」

「『今もまた衆議院の選挙がやってきており、人々の意識を変えていくための大事な過程の一つです。是非宣伝をお願いします!』ということで、僕らのラジオに期待してくれているみたいですよ」

「うーん、あたし今回はあんまり力になれないかもしれんね」

「え? なんでですか」

「あたしの地元さ、選挙の時の事務スタッフを一般に募集してんのよね。役所の人だけじゃ手が回らないからだと思うけど」

「あー。上崎さんの会社って、そういう役所の雑用とか請け負ってるんでしたっけ?」

「そうそう。それでさ、なんか選挙に関わる人間は、投票の誘導になっちゃいけないからってあんま喋んなって言われてんのよね。いや、どっちかってーと、疑われないように、か」

「まあ投票事務のスタッフが一人ちょっと喋ったくらいで、誰に入れるか誘導できたりはしませんもんね、普通は。でも公的な作業につく人がそう疑われるのがヤバいと」

「だから、あんまり選挙関連の話するのまずいかなーと。まあ正直今更? と心の中では思ってるけど、上に言われてる以上は一応ね」

「まあ、日頃からこのラジオで諸々に対する考え方とか発信してますからね……アーカイブも残してますし。選択的夫婦別姓の話とかした気がしますよ」

「そんなこと言ったら公務員の皆さんだって軽い感じで消費税とか、そういう話してると思うからね。あくまで選挙期間中は、ってことでしょ。そんなん言ってたら誰も投票事務できなくなるわよ」

「まあでも、政策とかの話題に関しては兎も角、ボート推しさんから要望のあった選挙に行こう! って話するのはいいんじゃないですか」

「あー、そっか。誰に投票するかの誘導が駄目なんであって、投票自体をしてほしいのは政府機関も公的機関もみんな一緒の筈だもんね。みんな、選挙に行きましょう!」

「今更ですけど、ボート推しさんの名前のボートって投票のほうですか。船じゃなくて」

「あー、voteか!」

「徹底してますねえ」

「しかし、ボート推しさんみたいに推進活動する人がいるくらい、みんな選挙の投票行ってないもんなのか。勿論テレビとかで数字は見てるけどさ、あたしの周りで行かないって人あんまいないから実感ないのよね」

「僕の周りもですね。まあ、人間価値観が近い人たちとつるむものですから、そんなものなんじゃないですか。多分行かない人は行かない人で固まってるんですよ」

「そうなのかも。あたしからすると行かない理由がよく分からないんだけどね、それもやっぱ考え方かな」

「敢えて絶対に行かない! と決めている人ってのは少ないんじゃないですかね? 絶対行く派の人と、まあ別に行かなくてもいっかな派の人って分け方が妥当な気がします」

「結局関心があるか無いかになってくるのか。自分の生活に直接関わってくる話なんだけどねー」

「それは本当にその通りなんですけど、それでも、そんな余裕ないくらいに目の前の生活が大変な人ってのもいると思うんですよね。収入の問題で働く時間が長くなっている人、精神的に自分以外のことを考える余裕が無い人、あと色々な理由で、失礼ながら教養が足りずに大人になってしまった人。よく言われる若者の無関心をなんとか対処したら、次はそういう人たちへのアプローチを考える必要が出てくるんじゃないかと思っています」

「ほんとなら余裕が無い人ほど、政治の動きによる影響が大きい気もするけど」

「事実としては、そうなんでしょうね」

「でも一応、投票の前にはどんな意見を持った人たちが出馬しているのか調べて、自分はどれを応援するのかを考えておかなきゃいけないわけだもんね。そりゃあ少しは時間と労力を使うから、その余裕も持てないって人は確かにいるか。仕事も勿論だし、家庭の事情もあるだろうしね。手のかかる時期の赤ちゃんワンオペで育ててるとか」

「十人十色で人にはいろんな事情がありますからね。投票しない=悪ではない、けど、やはり僕の意見としてはできるだけ投票をしてほしいとは思います」

「最近は投票率が低いことによるデメリットを、一般の人もSNSとかで発信していたりするよね。それこそボート推しさんみたいに」

「そうですね。それだけ、社会全体としての関心は高まっているんでしょう」

「何事に関してもそうなんだけどさ。元々関心を持ってる人はさらに詳しくなっていくし、関心が無かった人はずっとそのまんまになりがちだよね。そりゃあそうって話ではあるけど」

「関心の高い人は自分から情報を集めますし、関心低い人には何を言っても騒音と変わらないでしょうからね」

「逆に、投票に行くことによる分かりやすいメリットが無いことが問題よねー」

「中長期的に、大局的に見れば……うーん、それでも、あなたの意見が政治に反映されるよ! と断言はできませんか。されるかもしれない、止まりですもんねえ」

「一応、票が割れるほど当選した人も好き勝手やりにくくはなる筈だけど、所詮は抑止力とも言えるから」

「やっぱり、自分の要望を叶えるより、自分の考える最悪を避けるための投票って側面が強いんですよね」

「難しいわねー」

 

(CM)

 

 

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第二十回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

「こんばんは! MCの上崎茜(CV.和氣あず未)です」

「柴山蒼汰です」

「10月も終わりだねー」

「終わってしまいましたね」

「なんか元気ない?」

「はい」

「はいって。うーん、大丈夫なんだよね? 頷いてるからまー始めますよ、『ふわふわラジオ』、ああ今回20回目じゃん! いくぜー!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「燈火結いて(柳川和樹・Uyu)」

 

「綺麗な曲だけど初めて聞いたな。誰の曲かな?」

「元々インストゥルメンタル楽曲で、それにUyuさんと言う方がボーカルを乗せてくださってるんです」

「ほほー。柴山さん知ってた曲なの?」

「はい。僕がリクエストした曲です」

「そんなんありなのか」

「そういうわけで今日は、この場をお借りして、本日サービスが終了したスマートフォンゲーム『刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火』について語っていきたいと思います」

「そんなんありなのか?」

「まあ、収録してる今日はまだサービス中なんですけどね」

「そこじゃないんだよな」

柴「本日私がリクエストした曲もこのゲームの曲なんですよ」

「そこはなんとなく分かってたんだよな。うん、まあ、あたしはいいけども。リスナーさん、なんかごめんなさいね」

「自分の番組を私物化してすみません。ん? 自分の番組だから私物化してもいいのでは?」

「あたしの番組でもあるし会社の番組でもあるけどね。まーいいや、で? なんの話するの、あたしコンテンツとして刀使は聞いたことあったけどゲームとかやったことないよ」

「アニメは?」

「見てない。アニメもあるんだ」

「正確にはオリジナルアニメが先にあって、それが一区切りついたとこでリリースされたゲームでした。アニメの世界観をもっと深堀りしよう! みたいな感じで」

「ふーん」

「ではまずアニメの一話を軽く紹介していきましょうか」

「マジで何の番組かわかんなくなってきたな」

「まず前提として、荒魂という怪物がいます」

「断言しちゃった。アニメの世界観で、ね」

「こいつらは人を襲ってくるのでとても危険です。それを、御刀を用いて斬って祓う巫女、それが主人公達『刀使』です」

「たたかう巫女さん、ね。おーけー」

「刀使は有事の際に備えて、全国五か所にある中高一貫校で訓練に励んでいます。刀使達のトップ、折神家の主催する剣術の大会に、学校代表で出場することになったのが主人公の可奈美ちゃんなわけですね」

「主人公、強い子かー」

「超強いですよ。何せ彼女、中二ですからね。それが高校生もいる大会で学校代表ですからね。代表二人しかいないですからね」

「あ、そっか。高校生より強いってことだもんね、すごい」

「因みにその主人公に準決勝で敗れたのがゲーム版の主人公です」

「えっゲームの主人公違うんだ! アニメ原作のやつだと珍し、くもないか最近だと」

「ですね。さて、各校代表二人ずつ、10人で争った……決勝トーナメント。可奈美ちゃんはこれを勝ち抜き、遂に決勝戦です」

「主人公マジで強いんじゃん」

「決勝の相手も別の学校の中学生なんですけども」

「高校生しっかりして?」

「決勝はトップ折神家の当主様の前での御前試合です。互いに向かい合って、剣を抜いて、空気が張り詰めて……そして相手が消えました」

「ハイスピード土下座?」

「違います。話は逸れますが、怪物もいる世界ですから刀使の巫女たちもちょっとしたスーパー能力を使えたりするんですよ。例えば身代わりみたいなバリアもどきとか、例えば超スピードとか」

「超スピードか」

「そうです! 対戦相手は、試合開始の合図と同時に、一瞬で当主様のほうに駆け寄り斬りつけていたのです!」

「一話から狂人が出てくるアニメか?」

「しかし当主様、強い! 弾かれる剣! 体勢を崩す対戦相手! 護衛役も出てきて捕らわれそうになる対戦相手!」

「そりゃあまあ、反逆罪だもんね完全に」

「そんな中、試合をすっぽかされた我らが主人公、可奈美ちゃんは!」

「可哀想な主人公、可奈美ちゃんは?」

「囲まれた対戦相手を助け出して一緒に会場から逃走しましたとさ。一話終わり」

「……は?」

「ね? 先が気になるでしょ?」

「いや……気になるでしょ。何、なんかもったいぶって話してないこととかある? 見ないと分かんない要素のおかげであたしは今戸惑っているの?」

「いや、たしかに可奈美ちゃんは理由があって対戦相手を助けてますし、なんでかっていう匂わせくらいはありましたけどね。僕ら視聴者も一話見ただけじゃ分かんなかったですよ。だからみんなでえっ? なんで? ってなって、一週間後を楽しみにするという。最低限の世界観説明と興味を引くわくわく感で素晴らしい1話だったんですよ」

「へー。確かに先が気になるわね」

「で、第一クール終わったとこでゲームが始まって、僕らはずぶずぶのめりこんでいったわけなんですよね。刀使ノ巫女に! あれからもう三年かあ」

「ゲームも面白かったの?」

「女の子たちが可愛かったです」

「最近のソシャゲはみんなそうじゃん?」

「確かに。でもこう、3Dモデルもしっかりしてたので、バトルシーンも着せ替えも楽しかったんですよ。システムUIダメダメでもやめる気にならなかったくらいよかったですね」

「システムUIダメダメだったのか」

「どれだけ新しいソシャゲが始まっても何かしらUIダメな部分在りますよね。なんで学ばないのでしょうか」

「不便な方が金使ってくれるからじゃない?」

「課金して不便さが解消されるなら使いますけど、課金じゃどうしようもないところがダメなんですよ。それが一番困りますね」

「ま、悪く言いながらも楽しかったんでしょ? こう、番組を私物化するくらいには」

「それはもう。声優ラジオも終わっちゃったので、コンテンツとして今後終わりに向かっていくのかなとは思っていますが、何周年とかで定期的に浮かんできてほしいなと個人的には思います。それくらい好きな作品でした。女の子×制服×刀×剣術バトルでなんでハネなかったのか不思議でならない」

「3年続いたソシャゲって時点で頑張った方なんじゃないの、アニオリなんだし」

「まあ、そうなんですけどね。はー寂しい」

 

(CM)

 

 

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第十九回ふわふわラジオ(3)

 

「多様性ねー」

「えっと、多数派が偉そうにするあれの話からですね?」

「うん。実際にそういう傾向がある、気はするけど、なんでなのかはよく分かんないのよね。寧ろ個性的で、誰とも被ってないほうがいい場合が多い気がするんだけど」

「なんでしょうね。僕は多少、仕事以外のとこで文章を書いたりするんですけど」

「ブログとか?」

「ええ、まあそんなところです。そういうのとか、僕は覚えが無いですが絵や音楽、そういった芸術分野だと唯一無二であることが評価される印象ですよね」

「うん、そうだし、それって芸術だけなのかな? ってのがあたしの話よ。寧ろ他人と一緒でいいことってなんかある?」

「なんか、iPhoneの強みの一つと言われてるので、分からない部分を教えやすいってのがあった気がしますね。例えば慣れてないおじいちゃんおばあちゃんが分かんなくなったときに、同じiPhoneを使ってる家族に聞きやすい。家族は教えやすいと。そういう安心感を欲してるんじゃないでしょうか」

「安心感かー。それはあたし、分かるかも」

「おっ、そうなんですか」

「将来に安心感を求めた女よ、あたしは」

「そういえばそうでしたね。仕事決める時最重要視したのがクビにならなそうなとこでしたっけ?」

「アンドすぐには倒産しなさそうなとこね。安心感かー、たしかに自分と同じようにしてる人が周りにいると、んでその人が自分より1、2年先輩だったりすると安心感はすさまじいわよね。自分の未来予想図を立てやすい」

「ああ、そうですね。芸能人とかみたいな、再現性のない仕事をしてる方とかは、今後どうなるかの予想が立てづらそうです」

「人気商売はねー。逆に、周りが既に経験したことならどうすれば上手くいくかがある程度分かってるし、そうじゃなくても周りと相談しながらやっていけるって感じかしら」

「責任を分散できるのって、精神的に滅茶苦茶楽ですからね」

「結果どうなるかは関係なくね。赤信号、みんなで渡れば、怖くない!」

「駄目ですからね」

「例えよ、例え。んーでも安心感から多数派でいたがるのは分かったけど、少数派を排除したがるのは何なんだろーか? わかんなくない?」

「嫉妬じゃないですか。排除されるのってただの少数派じゃなくて、優秀な少数派でしょう。若しくはそうなるかもしれないヤツ」

「うわめっちゃ分かるわ。えっ、どうしよう。あたしめっちゃ嫌な日本人じゃん」

「ウケますね」

「何ウケとんねん」

「自分が下がらないでいるのに一番手っ取り早いのは、周りの適当な奴を下げることですからね」

「その相対評価でやっていけちゃうのが問題よね」

「そうならないために権力を分散させて、周りの奴を引きずり下ろす力がある人の横暴を許さないような制度にしなきゃいけないんですけどね」

「いつものそもそも制度が悪いトークになっちゃったわ。もうこうなるとどうしようもないね」

「ひっそりと面白トークしてるだけの二人にできることはありませんね」

「別の話題行きましょ」

「では、もう一つおたよりを読みましょう。PN『ぼっちちゃん』さんからです」

「アニメ化おめでとうございます! あれ、なんかデジャヴ」

「前もおたよりくれた方ですね、これ」

「リピーターじゃん! 嬉しい!」

「ラジオに複数回おたよりくれる人リピーターって言います? 何回も聞いてくれてる方もリピーターじゃないですか」

「いいから早よ読んで、時間無いよ」

「はあ。えー『上崎さん柴山さん! ボンバー!』」

「え? あー、そういえばこういう挨拶だったかも。ボンバー!」

「ボンバーです! 『以前のおたよりでお二人の考え方を聞いて、友達は友達、仕事仲間はまた別だと割り切るようになったおかげで、人と会話をすることの苦手意識が少なくなった気がします。ありがとうございます!』」

「あー、思い出した。楽しい会話と上手い会話みたいな話した時のやつだ」

「そうですそうです。『そしたらまた悩みが出てきちゃって、あの、敬語って難しくないですか!?』」

「うん。無理」

「『上崎さんは苦手だと言っていた気がしますが、柴山さんはいつも敬語ですよね! コツがあったら教えてください!』とのことです。ありがとうございます」

「柴山さん割とエセ敬語だよね?」

「お、やっぱ分かっちゃいますか?」

「うん。なんか、丁寧に話しとけば分かんないやろみたいな、こう、舐めてる感じがする」

「悪く言いすぎでしょうそれ。でもそうですね、尊敬語と謙譲語でしたっけ? あんまり意識してないので、多分文法とかめっちゃくっちゃですよ」

「日本語って難しいもんねー。敬語とちょっと離れちゃうんだけどさ」

「離れちゃうんですね」

「ごめん。あのさ、苦手意識ってさ、少なくなるもん? 小さくなるもん?」

「ええと、おたよりの中での言い回しですね。うーん、僕は少ないって言ってますかね?」

「まじ? じゃああたし間違ってたかもしれない」

「いや僕もわかんないですけどね。でも日本語って、そうですね。多少使い方間違っててもニュアンスで伝わっちゃうとこありますよね」

「多分日本語に限らないんだろうけどね? 英語とかも、勉強すると難しいけど英会話自体はそこまででもないって言うしさ」

「マジですか。日本語も上手く使えないんだから英語なんて一生使いこなせないんだろうなと思って生きてましたけど、ちょっとやってみましょうかね」

「ラジオ局って英語できなくていいもんなの?」

「社会人に必要なのは実力ではなく実力を誤魔化すスキルですよ」

「最低だ……」

「まあ兎に角、大抵の場合は敬語なんてちょっとくらい乱れてても気にされないもんですよ。だから気にせずどんどん会話していって、指摘されたらそこを直すくらいでいいと思いますよ」

「職種や立場にもよるけどねー。お偉いさんの秘書とか厳しそう」

「意外と言ってから自分で間違いに気づいたりすることもあります。習うより慣れろ精神で生きていきましょう」

「生き方の話になっちゃった」

「さて。ちょっと最後の話題は話し足りないですが、またの機会にということで。お時間です」

「次の放送は再来週です! おたよりお待ちしています、おたよりリピーターも歓迎よ! それでは皆さん、ばいなーら!」

 

(ED)

(曲)「番組テーマソング(BUMP OF CHICKEN)」

 

 

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第十九回ふわふわラジオ(2)

 

「はい、じゃあおたより紹介コーナーです。来てるよね?」

「来てますよ。PN『日本生まれ日本育ち』さんからのおたよりです、ありがとうございます」

「絶対特定できなそうな名前だ」

「『上崎さん、柴山さん。こんばんじゃ』」

 

二人「「こんばんはー」」

 

「ん? こんばんじゃ?」

「書き間違いかそういう挨拶か。『最近、巷では色んなものがシェアされるようになってきたようです』」

「巷でって。あーでも、たしかに?」

「『実際中国などでは、何事もシェアするのが当たり前に生活に取り入れられているようですし、効率だけを考えると最善に近いのは理解できます。しかし根本がコレクター気質でもある私からすると、自分の物を持つことに意味があるんじゃん! なんて思ってしまいます。お二人の考え方を聞いてみたいです』とのことです」

「うーむ。正直あんま考えたことなかったけど」

「基本私は日本生まれ日本育ちさんとおなじですよ。コレクター気質なのも含めて」

「あー、まあ柴山さんはそうだよね」

「なんで? って聞かれると答えにくいですけどね。自分が持っていることに意味を感じるのは、うーん。独り占めしたいのとも少し違う気がしますし」

「独占欲かなと思ってたよ」

「まあそれも強いのは認めますけど。シェアっていうと、今は自転車が一番一般的ですかね? 別にそんな高くない自転車に独占欲なんてあまり無いですよ」

「それもそうか」

「でも自分の物じゃないってのが絶妙にモヤモヤするというか」

「うーん。あたしの場合は、シェアとかだと汚れなんかが気になるかなー。だから中古品とかもそもそも買わないし」

「ふむ、分からなくはないですが、そんなに汚れてることってあります?」

「ん-、汚れてるっていうか、実は跡が残ってないだけで汚れてたかもしれないっていうのが苦手」

「はい?」

「例えば、紙とかなら跡残るけど、布製の物とかだとさ。前使った人が寝ぼけて涎垂らしてたとしても、すぐ拭いてたら跡残んないでしょ? けど、もう汚れが残ってないとしても、誰かが涎垂らしたものを使うのなんか嫌じゃん」

「な、なんかそう聞くと嫌な気がしてきました」

「だから公衆トイレとかも苦手だし、自分でもそこまでかって思うのは、借家?」

「誰かが前入ってた部屋が嫌ってことですか? 大変そう」

「特に風呂場とかね。一週間くらいめっちゃ嫌だね。そんくらい経つと諦めるんだけども」

「風呂入らない方が不潔ですしね。あれ、ってことは温泉施設とかも嫌なんじゃないですか?」

「気になる。すげえ気になる。なんなら湯に浸かってる時も気になってるけど、無理矢理頭から追い出して寛いで出る前にシャワー浴びまくる。温泉には入りたいからね」

「なんか、前から何度も言った気がしますけど、すげえ生きづらそうですね」

「うるせえ」

「でもそれだとシェアは厳しそうです」

「シェアサイクルもね、直に触れる部分は多くないんだから大した影響ないよって理性は言ってるんだけどさ。前使った人がトイレの後に手を洗わないタイプかもとか、そう考えちゃうとしんどくて」

「うぐ、なんか貴女の話聞いてると僕もシェアするの怖くなってくるんですけど」

「なんかごめん。リスナーさんも、ごめん」

「まとめると潔癖症? ですか?」

「それも違う気がするんだよね」

「ええ?」

「例えば、そうだなー。あたしの部屋、汚部屋ってほどじゃあないけど、あんまりしょっちゅう丁寧に掃除してるとも言えないしさ。なんというか、あたし自身の影響? は気にならないんだよね」

「自分の影響とな」

「なんかほら、スマホとかパソコンとか実はめっちゃ汚いとかいうじゃん? でもこれも毎日毎日磨くほどじゃないし。タオルとかも二、三日平気だし。でも他人が使ったものは無理。そう、自分はよくて他人は嫌なのよ」

「それはなんというか、汚れがあるかどうかじゃなくて、なんでしょう。パーソナルスペースとは違いますけど、そういう許容範囲が狭いんじゃないですか」

「それそれ! 多分それ」

「ちょっと下世話かもですけど、例えば彼氏とか、あと家族はどうですか?」

「キスするのは気にならないけど使った食器に触ったりするのは嫌」

「基準がよくわかんないですねえ」

「あたし自身も把握してないわよ。でもそうだ、昔は自分潔癖なのかと思っててさ。実家で皿洗うのも嫌で、でも一人暮らししたら全然抵抗なくなったから気付いたって感じ。キスは好きな人だと良いとかそんなんじゃない? 彼氏でも皿は洗いたくないけど」

「なんか、あんまり掘り下げてもしょうがない話な気がしてきました」

「よし、じゃあ一旦話変えよう。シェアのシステム自体はどう?」

「別に、上手くやれるならいいんじゃないですかってくらい。この間停電あったじゃないですか」

「あったっけ」

「東京で、停電したの」

「あー、なんかニュースで見たかも。秋田影響無かったからな」

「あの時電車が止まって帰宅困難者が出まくりましたけど、その時家帰るのにシェアサイクル使った人が多かったらしいんですよね。そういう使い方ができるのは、いいのかなと思います」

「雨降っての傘だと出先で買ってもいいけど、自転車クルマを買うのは流石に無理だもんねー。遠い人はレンタカーとか、そこまでじゃないならレンタサイクルとか、そういう使い方できるのは確かに魅力か」

「まあみんな乗って帰っちゃって、その人達が次の日いつもの手段で出勤したことで、都心部からレンタサイクルが消えたらしいですけどね。その辺の対策は今後練られていくでしょう」

「ぶっちゃさ」

「はい」

「レンタルやシェアをしてない人が、えー今どき使ってないのー? ダッサーとか言わないんなら、別に他のみんながシェア用品使いまくっててもいいと思うよ」

「ああ、多数派が偉そうにするあれですね」

「日本の悪しき風習過ぎるよね、みんなに合わせよう思考」

「言われて気になっちゃう辺りぼくらも日本人だなーって感じです」

「そーね。悲しいね」

「CMです」

 

(CM)

 

 

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第十九回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

「こんばんは! MC、上崎茜(CV.降幡愛)です!」

「柴山蒼汰です。こんばんは」

「寒くなってきたねー」

「今年は変化が急速でしたね。いや、今年も、でしょうか」

「最近の日本に秋って存在してる?」

「正直、怪しいですね。紅葉が始まったかと思えば雪降ってくるような印象ですが」

「だよねー。ともあれ皆さん、風邪ひかないよーにね! 秋の夜長かどうか微妙な感じの結論だけど、貴方のお供に第19回の『ふわふわラジオ』いくぜ!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「M@STERPIECE765PRO ALLSTARS)」

 

「PN『アイドル』さんからのリクエストでした。シンプル!」

「これももう懐かしい枠なんだなー」

「昨日のことのようですよね、アニメ版アイドルマスター

「まーあたしは実際最近見たからね」

「デレマス、ミリマス、それぞれが音ゲーになって、アニメになって、シャニマス、SideМはよく知らないですが。まあ兎も角、この10年で色々ありましたねえ」

「まーあたしはリアタイしてないからその感動は分からないけど、そうね」

「そして祝! スタマス発売!」

「ああ、今日そうなんだ。あのごった煮ゲームだよね?」

「ごった煮はポプマスもあるから二作目、ですけどね」

「細かいことは気にすんな。あ、アイドルさんもそれ記念のリクエストかな?」

「そうだと思いますよ。さて、読みます。『上崎さん、柴山さん。こーんばんはー!』」

 

二人「「こーんばんはー」」

 

「あのさ」

「はい」

「多分、アイドルがステージ上から挨拶してるイメージで書いてあるんだと思うんだけどさ。実際言ってみると錦鯉にしか聞こえないんですけど」

「毒されてますねえ」

「まあいいわ、続けて」

「はい。『アイドルです!』」

「ぷっ」

「なんですか」

「ごめん、柴山さんが自分のことアイドルですって言ったように聞こえて」

「今日変な絡み多いですよ! おたより読むコーナーなんてこんなもんでしょ!」

「ごめんごめん。続けて」

「はあ、読みますよ。えー『お気づきのとおり、アイドルマスターのアイドルです! 正直プロデューサー、ってペンネームを使いたかったんですけど、番組プロデューサーさんと被ってしまうのでやめました!』」

負の遺産じゃん。ごめんね」

「『しょうがないので私自身がデビューしました! アイドルです!』」

ペンネームの話でいいんだよね?」

「いやあ、実際デビューしてたらそれはそれで面白いですけど。『そんなわけで、スタマス発売記念も兼ねて私の一番好きなアイマス曲をリクエストします! いや、アイマス曲ということなら他にもいっぱい好きなのがありますけど、この曲こそが765プロの曲だと思ってます! それぞれのソロフレーズが凄く好きなので、是非聞いて下さい!』とのことです」

「ほぼアニメ一周しか履修してないあたしでも、どのフレーズ誰が歌ってるか分かるの凄いよね。さすが伝説」

「配置というか、歌う順番もすごくいいですよ。春香と美希から始まって、竜宮と双子、961に、真と雪歩とりっちゃん。そしてやよいと千早で締める! わかる、すごくわかります解釈一致!」

「怖い怖い。ファンからしてもいいものだーって話ね?」

「そうです!」

「はいはい。ファンと作者の好みというか、向く方向が同じ作品っていいわよねー」

「ああ、そうですね。まあ基本は作者が神様なので、ファンがついていけるのかいけないのかって話にはなりますけど。アニメやゲームなんかで、『作者』の中の人たちが大勢だったり、入れ替わりが激しかったりすると、迷走したりってのもありますよね」

「小説や漫画なら、途中での方針転換も含めてそういう作品だってのが前提になるもんね。『家庭教師ヒットマンREBORN!』思い出したわ」

「全てのギャグマンガはリボーン路線を内包していると言っても過言ではありませんよね」

「割と巻数重ねてからだもんね。『僕とロボコ』もロボットバトルものになる可能性ゼロじゃないわよ」

「近隣の学校が転校生にまとめ上げられたら注意が必要ですね」

「軌道修正、軌道修正。元は何の話してたかしら?」

「そういえば上崎さん。元々色々とごちゃごちゃした口調でしたけど、最近女性的な口調多いですね?」

「あー、そうかな? 慣れてくると結構ボロが出るのよ。 お母さんがこういう話し方だから、成長するにあたって覚えたって感じでさ。元々はがっつりかしら口調だったんだけど、でもなんかちゃんと使うと堅苦しくて面倒臭くなっちゃうし、最近色々と略すのが流行ってるじゃない? だからこんなかんじでいーかなって、雑にね」

「略すのが流行ってるのって主に女子高生の間じゃないんですか? 調子に乗らないでください」

「調子に乗らないでくださいってなんですか? あとJKの流行りなんてネットで使い古されたスラングばっかだから」

「それよく言われますよね。まあ、正しいんだとは思いますけど、どうしてそんなことになっているのやら」

「いやー、結構シンプルな理由だと思うよ。①オタクがネットで使いまくってる言葉や口調をつい現実でも使っちゃう。②たまたまそれを聞いたJKがエモーいとか言って使う。③流行る。みたいな」

「そう簡単に現実いってるんでしょうか」

「最近はJKもネットやるから、現実でたまたま目にする、がネットでたまたまワードを見かけるになってるかもしれないけどね。感覚と本能で生きてるのがJKってもんだから、なにこれ! いいね! つかお! の連鎖が流行りを生むんだよ」

「分かったような、分からないような」

「まあどうでもいい話ではあるからね」

「個人的には、『女性らしさ』とかっていう、そういうの上崎さん嫌いそうだからちょっと引っかかってたんです」

「あーそれは思ってる通りだよ? でもさ、らしさなんてもんを否定するなら、その反対のことしてりゃいいってもんじゃないでしょう。あたしは女性らしくしなさいって押し付けられんのが嫌なだけで、男性らしくしてやるって思うわけじゃないし。泣くのも、強がるのも、たくましいのも、可憐なのも、全部何からしいわけじゃないって話なんだから。誰がどうであってもいいのよ。あたしの口調も含めて、あたしらしいあたしでしかないのよ」

「かっこいい。CMです」

 

(CM)

 

 

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