第十九回ふわふわラジオ(3)
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上「多様性ねー」
柴「えっと、多数派が偉そうにするあれの話からですね?」
上「うん。実際にそういう傾向がある、気はするけど、なんでなのかはよく分かんないのよね。寧ろ個性的で、誰とも被ってないほうがいい場合が多い気がするんだけど」
柴「なんでしょうね。僕は多少、仕事以外のとこで文章を書いたりするんですけど」
上「ブログとか?」
柴「ええ、まあそんなところです。そういうのとか、僕は覚えが無いですが絵や音楽、そういった芸術分野だと唯一無二であることが評価される印象ですよね」
上「うん、そうだし、それって芸術だけなのかな? ってのがあたしの話よ。寧ろ他人と一緒でいいことってなんかある?」
柴「なんか、iPhoneの強みの一つと言われてるので、分からない部分を教えやすいってのがあった気がしますね。例えば慣れてないおじいちゃんおばあちゃんが分かんなくなったときに、同じiPhoneを使ってる家族に聞きやすい。家族は教えやすいと。そういう安心感を欲してるんじゃないでしょうか」
上「安心感かー。それはあたし、分かるかも」
柴「おっ、そうなんですか」
上「将来に安心感を求めた女よ、あたしは」
柴「そういえばそうでしたね。仕事決める時最重要視したのがクビにならなそうなとこでしたっけ?」
上「アンドすぐには倒産しなさそうなとこね。安心感かー、たしかに自分と同じようにしてる人が周りにいると、んでその人が自分より1、2年先輩だったりすると安心感はすさまじいわよね。自分の未来予想図を立てやすい」
柴「ああ、そうですね。芸能人とかみたいな、再現性のない仕事をしてる方とかは、今後どうなるかの予想が立てづらそうです」
上「人気商売はねー。逆に、周りが既に経験したことならどうすれば上手くいくかがある程度分かってるし、そうじゃなくても周りと相談しながらやっていけるって感じかしら」
柴「責任を分散できるのって、精神的に滅茶苦茶楽ですからね」
上「結果どうなるかは関係なくね。赤信号、みんなで渡れば、怖くない!」
柴「駄目ですからね」
上「例えよ、例え。んーでも安心感から多数派でいたがるのは分かったけど、少数派を排除したがるのは何なんだろーか? わかんなくない?」
柴「嫉妬じゃないですか。排除されるのってただの少数派じゃなくて、優秀な少数派でしょう。若しくはそうなるかもしれないヤツ」
上「うわめっちゃ分かるわ。えっ、どうしよう。あたしめっちゃ嫌な日本人じゃん」
柴「ウケますね」
上「何ウケとんねん」
柴「自分が下がらないでいるのに一番手っ取り早いのは、周りの適当な奴を下げることですからね」
上「その相対評価でやっていけちゃうのが問題よね」
柴「そうならないために権力を分散させて、周りの奴を引きずり下ろす力がある人の横暴を許さないような制度にしなきゃいけないんですけどね」
上「いつものそもそも制度が悪いトークになっちゃったわ。もうこうなるとどうしようもないね」
柴「ひっそりと面白トークしてるだけの二人にできることはありませんね」
上「別の話題行きましょ」
柴「では、もう一つおたよりを読みましょう。PN『ぼっちちゃん』さんからです」
上「アニメ化おめでとうございます! あれ、なんかデジャヴ」
柴「前もおたよりくれた方ですね、これ」
上「リピーターじゃん! 嬉しい!」
柴「ラジオに複数回おたよりくれる人リピーターって言います? 何回も聞いてくれてる方もリピーターじゃないですか」
上「いいから早よ読んで、時間無いよ」
柴「はあ。えー『上崎さん柴山さん! ボンバー!』」
上「え? あー、そういえばこういう挨拶だったかも。ボンバー!」
柴「ボンバーです! 『以前のおたよりでお二人の考え方を聞いて、友達は友達、仕事仲間はまた別だと割り切るようになったおかげで、人と会話をすることの苦手意識が少なくなった気がします。ありがとうございます!』」
上「あー、思い出した。楽しい会話と上手い会話みたいな話した時のやつだ」
柴「そうですそうです。『そしたらまた悩みが出てきちゃって、あの、敬語って難しくないですか!?』」
上「うん。無理」
柴「『上崎さんは苦手だと言っていた気がしますが、柴山さんはいつも敬語ですよね! コツがあったら教えてください!』とのことです。ありがとうございます」
上「柴山さん割とエセ敬語だよね?」
柴「お、やっぱ分かっちゃいますか?」
上「うん。なんか、丁寧に話しとけば分かんないやろみたいな、こう、舐めてる感じがする」
柴「悪く言いすぎでしょうそれ。でもそうですね、尊敬語と謙譲語でしたっけ? あんまり意識してないので、多分文法とかめっちゃくっちゃですよ」
上「日本語って難しいもんねー。敬語とちょっと離れちゃうんだけどさ」
柴「離れちゃうんですね」
上「ごめん。あのさ、苦手意識ってさ、少なくなるもん? 小さくなるもん?」
柴「ええと、おたよりの中での言い回しですね。うーん、僕は少ないって言ってますかね?」
上「まじ? じゃああたし間違ってたかもしれない」
柴「いや僕もわかんないですけどね。でも日本語って、そうですね。多少使い方間違っててもニュアンスで伝わっちゃうとこありますよね」
上「多分日本語に限らないんだろうけどね? 英語とかも、勉強すると難しいけど英会話自体はそこまででもないって言うしさ」
柴「マジですか。日本語も上手く使えないんだから英語なんて一生使いこなせないんだろうなと思って生きてましたけど、ちょっとやってみましょうかね」
上「ラジオ局って英語できなくていいもんなの?」
柴「社会人に必要なのは実力ではなく実力を誤魔化すスキルですよ」
上「最低だ……」
柴「まあ兎に角、大抵の場合は敬語なんてちょっとくらい乱れてても気にされないもんですよ。だから気にせずどんどん会話していって、指摘されたらそこを直すくらいでいいと思いますよ」
上「職種や立場にもよるけどねー。お偉いさんの秘書とか厳しそう」
柴「意外と言ってから自分で間違いに気づいたりすることもあります。習うより慣れろ精神で生きていきましょう」
上「生き方の話になっちゃった」
柴「さて。ちょっと最後の話題は話し足りないですが、またの機会にということで。お時間です」
上「次の放送は再来週です! おたよりお待ちしています、おたよりリピーターも歓迎よ! それでは皆さん、ばいなーら!」
(ED)
(曲)「番組テーマソング(BUMP OF CHICKEN)」
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