第十九回ふわふわラジオ(2)
2
上「はい、じゃあおたより紹介コーナーです。来てるよね?」
柴「来てますよ。PN『日本生まれ日本育ち』さんからのおたよりです、ありがとうございます」
上「絶対特定できなそうな名前だ」
柴「『上崎さん、柴山さん。こんばんじゃ』」
二人「「こんばんはー」」
上「ん? こんばんじゃ?」
柴「書き間違いかそういう挨拶か。『最近、巷では色んなものがシェアされるようになってきたようです』」
上「巷でって。あーでも、たしかに?」
柴「『実際中国などでは、何事もシェアするのが当たり前に生活に取り入れられているようですし、効率だけを考えると最善に近いのは理解できます。しかし根本がコレクター気質でもある私からすると、自分の物を持つことに意味があるんじゃん! なんて思ってしまいます。お二人の考え方を聞いてみたいです』とのことです」
上「うーむ。正直あんま考えたことなかったけど」
柴「基本私は日本生まれ日本育ちさんとおなじですよ。コレクター気質なのも含めて」
上「あー、まあ柴山さんはそうだよね」
柴「なんで? って聞かれると答えにくいですけどね。自分が持っていることに意味を感じるのは、うーん。独り占めしたいのとも少し違う気がしますし」
上「独占欲かなと思ってたよ」
柴「まあそれも強いのは認めますけど。シェアっていうと、今は自転車が一番一般的ですかね? 別にそんな高くない自転車に独占欲なんてあまり無いですよ」
上「それもそうか」
柴「でも自分の物じゃないってのが絶妙にモヤモヤするというか」
上「うーん。あたしの場合は、シェアとかだと汚れなんかが気になるかなー。だから中古品とかもそもそも買わないし」
柴「ふむ、分からなくはないですが、そんなに汚れてることってあります?」
上「ん-、汚れてるっていうか、実は跡が残ってないだけで汚れてたかもしれないっていうのが苦手」
柴「はい?」
上「例えば、紙とかなら跡残るけど、布製の物とかだとさ。前使った人が寝ぼけて涎垂らしてたとしても、すぐ拭いてたら跡残んないでしょ? けど、もう汚れが残ってないとしても、誰かが涎垂らしたものを使うのなんか嫌じゃん」
柴「な、なんかそう聞くと嫌な気がしてきました」
上「だから公衆トイレとかも苦手だし、自分でもそこまでかって思うのは、借家?」
柴「誰かが前入ってた部屋が嫌ってことですか? 大変そう」
上「特に風呂場とかね。一週間くらいめっちゃ嫌だね。そんくらい経つと諦めるんだけども」
柴「風呂入らない方が不潔ですしね。あれ、ってことは温泉施設とかも嫌なんじゃないですか?」
上「気になる。すげえ気になる。なんなら湯に浸かってる時も気になってるけど、無理矢理頭から追い出して寛いで出る前にシャワー浴びまくる。温泉には入りたいからね」
柴「なんか、前から何度も言った気がしますけど、すげえ生きづらそうですね」
上「うるせえ」
柴「でもそれだとシェアは厳しそうです」
上「シェアサイクルもね、直に触れる部分は多くないんだから大した影響ないよって理性は言ってるんだけどさ。前使った人がトイレの後に手を洗わないタイプかもとか、そう考えちゃうとしんどくて」
柴「うぐ、なんか貴女の話聞いてると僕もシェアするの怖くなってくるんですけど」
上「なんかごめん。リスナーさんも、ごめん」
柴「まとめると潔癖症? ですか?」
上「それも違う気がするんだよね」
柴「ええ?」
上「例えば、そうだなー。あたしの部屋、汚部屋ってほどじゃあないけど、あんまりしょっちゅう丁寧に掃除してるとも言えないしさ。なんというか、あたし自身の影響? は気にならないんだよね」
柴「自分の影響とな」
上「なんかほら、スマホとかパソコンとか実はめっちゃ汚いとかいうじゃん? でもこれも毎日毎日磨くほどじゃないし。タオルとかも二、三日平気だし。でも他人が使ったものは無理。そう、自分はよくて他人は嫌なのよ」
柴「それはなんというか、汚れがあるかどうかじゃなくて、なんでしょう。パーソナルスペースとは違いますけど、そういう許容範囲が狭いんじゃないですか」
上「それそれ! 多分それ」
柴「ちょっと下世話かもですけど、例えば彼氏とか、あと家族はどうですか?」
上「キスするのは気にならないけど使った食器に触ったりするのは嫌」
柴「基準がよくわかんないですねえ」
上「あたし自身も把握してないわよ。でもそうだ、昔は自分潔癖なのかと思っててさ。実家で皿洗うのも嫌で、でも一人暮らししたら全然抵抗なくなったから気付いたって感じ。キスは好きな人だと良いとかそんなんじゃない? 彼氏でも皿は洗いたくないけど」
柴「なんか、あんまり掘り下げてもしょうがない話な気がしてきました」
上「よし、じゃあ一旦話変えよう。シェアのシステム自体はどう?」
柴「別に、上手くやれるならいいんじゃないですかってくらい。この間停電あったじゃないですか」
上「あったっけ」
柴「東京で、停電したの」
上「あー、なんかニュースで見たかも。秋田影響無かったからな」
柴「あの時電車が止まって帰宅困難者が出まくりましたけど、その時家帰るのにシェアサイクル使った人が多かったらしいんですよね。そういう使い方ができるのは、いいのかなと思います」
上「雨降っての傘だと出先で買ってもいいけど、自転車クルマを買うのは流石に無理だもんねー。遠い人はレンタカーとか、そこまでじゃないならレンタサイクルとか、そういう使い方できるのは確かに魅力か」
柴「まあみんな乗って帰っちゃって、その人達が次の日いつもの手段で出勤したことで、都心部からレンタサイクルが消えたらしいですけどね。その辺の対策は今後練られていくでしょう」
上「ぶっちゃさ」
柴「はい」
上「レンタルやシェアをしてない人が、えー今どき使ってないのー? ダッサーとか言わないんなら、別に他のみんながシェア用品使いまくっててもいいと思うよ」
柴「ああ、多数派が偉そうにするあれですね」
上「日本の悪しき風習過ぎるよね、みんなに合わせよう思考」
柴「言われて気になっちゃう辺りぼくらも日本人だなーって感じです」
上「そーね。悲しいね」
柴「CMです」
(CM)
※番組のトップページはこちら