ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第二十回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

「こんばんは! MCの上崎茜(CV.和氣あず未)です」

「柴山蒼汰です」

「10月も終わりだねー」

「終わってしまいましたね」

「なんか元気ない?」

「はい」

「はいって。うーん、大丈夫なんだよね? 頷いてるからまー始めますよ、『ふわふわラジオ』、ああ今回20回目じゃん! いくぜー!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「燈火結いて(柳川和樹・Uyu)」

 

「綺麗な曲だけど初めて聞いたな。誰の曲かな?」

「元々インストゥルメンタル楽曲で、それにUyuさんと言う方がボーカルを乗せてくださってるんです」

「ほほー。柴山さん知ってた曲なの?」

「はい。僕がリクエストした曲です」

「そんなんありなのか」

「そういうわけで今日は、この場をお借りして、本日サービスが終了したスマートフォンゲーム『刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火』について語っていきたいと思います」

「そんなんありなのか?」

「まあ、収録してる今日はまだサービス中なんですけどね」

「そこじゃないんだよな」

柴「本日私がリクエストした曲もこのゲームの曲なんですよ」

「そこはなんとなく分かってたんだよな。うん、まあ、あたしはいいけども。リスナーさん、なんかごめんなさいね」

「自分の番組を私物化してすみません。ん? 自分の番組だから私物化してもいいのでは?」

「あたしの番組でもあるし会社の番組でもあるけどね。まーいいや、で? なんの話するの、あたしコンテンツとして刀使は聞いたことあったけどゲームとかやったことないよ」

「アニメは?」

「見てない。アニメもあるんだ」

「正確にはオリジナルアニメが先にあって、それが一区切りついたとこでリリースされたゲームでした。アニメの世界観をもっと深堀りしよう! みたいな感じで」

「ふーん」

「ではまずアニメの一話を軽く紹介していきましょうか」

「マジで何の番組かわかんなくなってきたな」

「まず前提として、荒魂という怪物がいます」

「断言しちゃった。アニメの世界観で、ね」

「こいつらは人を襲ってくるのでとても危険です。それを、御刀を用いて斬って祓う巫女、それが主人公達『刀使』です」

「たたかう巫女さん、ね。おーけー」

「刀使は有事の際に備えて、全国五か所にある中高一貫校で訓練に励んでいます。刀使達のトップ、折神家の主催する剣術の大会に、学校代表で出場することになったのが主人公の可奈美ちゃんなわけですね」

「主人公、強い子かー」

「超強いですよ。何せ彼女、中二ですからね。それが高校生もいる大会で学校代表ですからね。代表二人しかいないですからね」

「あ、そっか。高校生より強いってことだもんね、すごい」

「因みにその主人公に準決勝で敗れたのがゲーム版の主人公です」

「えっゲームの主人公違うんだ! アニメ原作のやつだと珍し、くもないか最近だと」

「ですね。さて、各校代表二人ずつ、10人で争った……決勝トーナメント。可奈美ちゃんはこれを勝ち抜き、遂に決勝戦です」

「主人公マジで強いんじゃん」

「決勝の相手も別の学校の中学生なんですけども」

「高校生しっかりして?」

「決勝はトップ折神家の当主様の前での御前試合です。互いに向かい合って、剣を抜いて、空気が張り詰めて……そして相手が消えました」

「ハイスピード土下座?」

「違います。話は逸れますが、怪物もいる世界ですから刀使の巫女たちもちょっとしたスーパー能力を使えたりするんですよ。例えば身代わりみたいなバリアもどきとか、例えば超スピードとか」

「超スピードか」

「そうです! 対戦相手は、試合開始の合図と同時に、一瞬で当主様のほうに駆け寄り斬りつけていたのです!」

「一話から狂人が出てくるアニメか?」

「しかし当主様、強い! 弾かれる剣! 体勢を崩す対戦相手! 護衛役も出てきて捕らわれそうになる対戦相手!」

「そりゃあまあ、反逆罪だもんね完全に」

「そんな中、試合をすっぽかされた我らが主人公、可奈美ちゃんは!」

「可哀想な主人公、可奈美ちゃんは?」

「囲まれた対戦相手を助け出して一緒に会場から逃走しましたとさ。一話終わり」

「……は?」

「ね? 先が気になるでしょ?」

「いや……気になるでしょ。何、なんかもったいぶって話してないこととかある? 見ないと分かんない要素のおかげであたしは今戸惑っているの?」

「いや、たしかに可奈美ちゃんは理由があって対戦相手を助けてますし、なんでかっていう匂わせくらいはありましたけどね。僕ら視聴者も一話見ただけじゃ分かんなかったですよ。だからみんなでえっ? なんで? ってなって、一週間後を楽しみにするという。最低限の世界観説明と興味を引くわくわく感で素晴らしい1話だったんですよ」

「へー。確かに先が気になるわね」

「で、第一クール終わったとこでゲームが始まって、僕らはずぶずぶのめりこんでいったわけなんですよね。刀使ノ巫女に! あれからもう三年かあ」

「ゲームも面白かったの?」

「女の子たちが可愛かったです」

「最近のソシャゲはみんなそうじゃん?」

「確かに。でもこう、3Dモデルもしっかりしてたので、バトルシーンも着せ替えも楽しかったんですよ。システムUIダメダメでもやめる気にならなかったくらいよかったですね」

「システムUIダメダメだったのか」

「どれだけ新しいソシャゲが始まっても何かしらUIダメな部分在りますよね。なんで学ばないのでしょうか」

「不便な方が金使ってくれるからじゃない?」

「課金して不便さが解消されるなら使いますけど、課金じゃどうしようもないところがダメなんですよ。それが一番困りますね」

「ま、悪く言いながらも楽しかったんでしょ? こう、番組を私物化するくらいには」

「それはもう。声優ラジオも終わっちゃったので、コンテンツとして今後終わりに向かっていくのかなとは思っていますが、何周年とかで定期的に浮かんできてほしいなと個人的には思います。それくらい好きな作品でした。女の子×制服×刀×剣術バトルでなんでハネなかったのか不思議でならない」

「3年続いたソシャゲって時点で頑張った方なんじゃないの、アニオリなんだし」

「まあ、そうなんですけどね。はー寂しい」

 

(CM)

 

 

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