ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第四回ふわふわラジオ(3)

 

柴「旅行といえば」

上「うん」

柴「移動が発生するじゃないですか。電車でとか、車とか飛行機とか。あれどうしてますか」

上「なんか抽象的な問いだけど、そうだなあ。最近は新幹線使って行くことが多いね」

柴「新幹線ですか」

上「まあ行き先によっては使えないけど、あれば基本は? 指定席あること多いし、席も割と広いし、一番のんびりできるかなと。学生の頃はお金なくて使えなかった分今は新幹線ばっかりだな」

柴「あれ必ず2席以上並んでるから隣にクソみたいな奴座ってくるかもしれないじゃないですか」

上「一緒にしないでくれる? 二人以上で行くもん」

柴「あっ」

上「可哀想……というか、大体そうじゃない? どの乗り物でも」

柴「まあそうですね。だから僕は自家用車やレンタカー、もしくは電車を乗り継いで移動することが多いです」

上「車は兎も角、電車なんて隣に知らない人が絶対いる乗り物では?」

柴「最初から寛げる期待してない分落ち幅が小さいんですよ」

上「めんどくさいなあ」

柴「新幹線での移動って道中何してるんですか? 景色見てるには流れが速い気がしますけど」

上「案外そうでもないよ? そりゃ住宅街とか通ってるときはもうビュンビュンだけど、田園風景とかは逆にちょうどいい時間見てられる気がするかも。海とか」

柴「たしかに。電車で田んぼの中とか通ると飽きますよね」

上「それこそあたしは、自分で運転してる時間が嫌いなんだけど。何もできなくない?」

柴「そうでもないですよ。必ずブルートゥース対応のカーステレオついた車借りてですね。事前に作っておいたプレイリストを爆音で流すんですよ」

上「あーたしかに、音楽聞くなら車、いいね」

柴「『しゅわりん☆どり~みん』爆音ライブ開催です」

上「(四)十五の夜さんと気が合いそうだね」

柴「たまに歌っちゃったりして」

上「あれは彩ちゃんが歌うからいい曲なんだよ! 柴山さんが歌っても拷問にしかならないよ!」

柴「なので一人で行くわけですね」

上「あ、綺麗に話戻ってきた」

柴「みんなで行ったカラオケで萌えアニソンを歌う男子」

上「それあたしも聞いててしんどいけど一番古傷を抉られてんの柴山さんじゃない? 大丈夫?」

柴「僕そんなことしませんし……でも、普通に周りと曲の好みや知識はズレてましたね」

上「一回さ、クラスの連中となんかの打ち上げでカラオケ行ったんだよね。普段はあんま話さない女子も、ちゃらい男子も一緒にさ」

柴「懐かしき青春の一ページですね」

上「地獄、だった」

柴「ええ……」

上「CMでギリ聞いたことあるかってアゲアゲな曲歌いだす陽キャ男子、手ぇ叩いて喜びながら踊りだす陽キャ女子、順番回ってくるたびにオタクソング歌って変な空気にする陰キャ男子、それら全部を冷静に受け止めた結果全く動けないあたしたち陰キャ女子。あたしらをモブとしか思ってない陽キャども以外誰も幸せになってなかったよ」

柴「でもそれ多分幸せになった人のが多いですよね」

上「そう。悲しい」

柴「僕みたいな人種からすると、あれ。タンバリン? 歌ってるときにあれ叩かれるだけで鬱陶しいですけどね。聞けよ」

上「そうなんだよ、あたしたちのカラオケは言うなれば、歌合戦というか。誰かが歌って、上手いねっつって、じゃあ次あたしの番! っていう。ターン制なんだよね。でもあいつらずっとみんなで騒いでるから、知らないカラオケだ……ってなった」

柴「結局気が合う人とだけ行ってるのがみんな幸せだし世界は平和なんですよね」

上「気が合わない人と無干渉を貫ける前提では、だけどね」

 

(無音)

 

柴「旅行に話戻してもいいですか」

上「いいね、そうしよっか。分かり合えない人と人の話はもう辛くなるからね」

柴「一人で行くと絶妙に困ることあるんですよね」

上「何?」

柴「トイレ」

上「え、一人のが困るの?」

柴「トイレに行くとき荷物どうするのか問題ですよ」

上「あー、成程」

柴「ちょっとこれ持っててが効かないので、どんなにデカいものでも手提げの袋でも持っておくしかないんですよね。アレどうしたらいいんだろっていっつも思います」

上「どうしてんの? 現状は」

柴「手提げ、男性、小さいほうの条件下であれば、便器の正面の壁がちょっと台みたいになってることが多いんですよ。そこに置いて、用を足したら手に取って手を洗いに行くんですけど……こう、触らないように気を付けるのが、面倒ですね」

上「触らない……ああ」

柴「こう、極力指先で用を済ませて、手のひらだけで持つというか。人がいないトイレだったら、一旦用を済ませてから取りに戻ったり。それでもなんか嫌な感じはしちゃうんですよね」

上「詳細に描写をするな。因みに、デカい荷物の時は?」

柴「利用者がいない時は多目的トイレを使っちゃいます」

上「成程、その手が」

柴「でもあれ微妙に罪悪感発生するんですよね……荷物が多い人、は利用者として想定されてないんだろうなって。身体に障害のある方や、あと乳幼児と一緒の方とか? そういう人のためのトイレなんだろうから、と。なるべく早く済ませてますけど」

上「多目的なんだからマナーを守って素早く使う分には問題ない気がするけどなあ」

柴「うーん炎上するかなあ。なんかごめんなさい」

上「敏感! あとそうやって腫物扱いっつーか、触んないほうがいい話題みたいにするのが一番駄目だと思うよ!」

柴「でも実際燃えやすい話じゃないですか? 差別の話に繋がる話題って」

上「寧ろ一番燃えさせちゃ駄目な話題なんだけどねえ。みんなが意見を言いやすい、話をしやすい空気を作って、勘違いや無知な発言もさ。このままでよくはないけど、次から気を付けてねって言えればいいのになあ」

柴「今、思い出した話があるんですけどね」

上「やめよう。時間ない時に始める話じゃないよ、これは」

柴「スッキリ!の話なんですけど」

上「やめろ。スッキリ!は好きだけど、今はやめろ」

柴「話しやすいようにしていこうって言ったのは上崎さんなのに」

上「現実で今現在はそうじゃないってことだよ。前回の話以上に番組が終わりかねないぞ」

柴「じゃあやめときましょう。なんか言っておきたいこととかあります?」

上「何に関してもだけど、正しい知識を完璧に持っておいた上でしか話しちゃいけないってのはクソ思考だよ。人類みな曖昧な知識をもとにどんな話題をだらだらと語り合ってもいいんだよ。もっとも、正しい知識を持った人に指摘されたときは素直に受け止めなきゃだけど」

柴「番組コンセプトに軽く触れたところでお時間です」

上「おたよりマジで待ってまーす」

柴「来週もこの時間に、無事にまたお会いしましょう」

上「無事に? えっそんなに炎上しそう? ……さよーなら!」

  

 

(ED)

(曲)「番組テーマソング(ヨルシカ)」

 

 

 

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第四回ふわふわラジオ(2)

 

柴「本日はお風呂の話題をお送りしております」

上「美人プラス風呂……これはもう、深夜帯だね」

柴「そうですか」

上「つれないなあ。あ、お風呂と言えばさ」

柴「はい」

上「温泉旅行とか行く?」

柴「さっきも言いましたけど、そんなに風呂に浸かることが無いので。とはいえ、嫌いではないですから、旅行先にあれば入ったりはしますけど……温泉目的で行くことはあまりないですね」

上「そっかあ。あたしさ、前に友達と温泉旅行に行ったのよ。最初は2人で行くつもりだったんだけど、なんか気づいたら4人くらいになっててさ。まあ、みんな仲いい子だったからそれはいいんだけど」

柴「あれ、そこの愚痴じゃないんですね」

上「うん。それは、そういうこともあるんだよ。でね? あたしは温泉旅行なんだから、とっとと宿に入って、ご飯前にゆっくりひとっ風呂浴びて、夜もお風呂はいって最後に朝風呂ってのを思い描いていたわけよ」

柴「あー……」

上「それがだよ? 駅着いてから周辺じっくり見て回るわ、先にお土産を見るわ、ご飯まであんま時間なく宿着いたのにみんなでゲームしようとか言うわ、違うでしょ! これは温泉旅行! なの! 温泉を楽しむことが目的なの!」

柴「いや、上崎さん。それは上崎さんが特殊ですって」

上「いやいいんだよそれは! はいはい異常なのはあたしなんでしょうねそれはそれでいいんだけどさ! ならついてくんなよ!」

柴「まあ、最初は二人の予定だったんですもんね」

上「最初に誘ったもう一人はそんなに拘りなかったみたいだから普通に楽しんでたし、それはそれとして朝風呂には付き合ってくれたけどさ。そういう子だから一緒に温泉行きたかったんだけどさ!温泉興味無い奴は今回は遠慮してほしかったなあって思ったよね」

柴「温泉旅行、ってワードの捉え方が違った可能性はありますね」

上「そう! 今思えばね。多分、その子たちからすれば、ちょっといい温泉付きのとこに泊まるんだーくらいの感覚だったんだろうね? 温泉にも入れる、観光旅行というか」

柴「ところが上崎さん的にはそっちこそが本命だったと」

上「そのためにわざわざ高めの温泉旅館とったからねえ」

柴「観光目的の旅行も別個に行くんですか?」

上「あんまり。でも、行くこともあるよ。その時は宿は休いビジネスホテルとかで抑えて、ご飯まで全部外で済ませるかな。飲食店巡りも観光の一環だし」

柴「なんか、結構こだわりが強いタイプなんですね」

上「めんどくせー女だと思ったか」

柴「若干。こだわりがめんどくせーと言うより、そこまでこだわりがあるのにみんなで旅行行くのがめんどくせーなって」

上「いやいや、それはさー。普段は気の合う人としか行かないよ? それこそ、さっきの話で合わなかった二人も、次からはこだわりを事前に行っておくようにしたのよ。それでもいい時は一緒に行ってくれるし、今回はパスってことも増えたけど、そっちのほうがお互いにいいよね」

柴「ああ。別にそこで仲違いしたとかじゃないんですね」

上「うん。それこそ公共の電波に乗せて、聞かれても問題ない笑い話の類よ」

柴「そう考えると、そのめんどくささ曝け出しても付き合いがある友達がいるっていういい話で終われそうですね」

上「なんか含みのある言い方だけど、そうだね。柴山さんは旅行とか行く?」

柴「行きますよ。かなり行きます。一人で」

上「えっ一人?」

柴「はい。それこそ、色々とこだわりあるめんどくさい人と行くと大変ですからね」

上「もしかして今日、柴山さんのあたしへの好感度めっちゃ落ちた?」

柴「いや、別にそんなことないですよ。旅行に一緒に行きたいタイプじゃないってだけです」

上「そっか。なんか当たり強いなと思ったけど気のせいか」

柴「いつも通りですね」

上「ん?」

柴「あと僕、予定をあんまり決めないで、その時その時の思うままにふらふらするのが好きなんですよね」

上「ああ、いるよね。旅行の時、分単位で行動縛ってくるタイプ。あたしもそれは苦手かも」

柴「そういうのはもう敵と言ってもいいくらいですが、なんていうかな。例えば美味しそうなピザの店を見つけるじゃないですか」

上「うん」

柴「ここで誰かと歩いていると、このお店どう? なんて話を振るわけですよ」

上「そうだね」

柴「たまたま相手がそんなにお腹すいていないと、えーどうしよっかなー、そんなにお腹すいてないんだよねーみたいな話になっていくわけです。でも実際美味しそうだから、悩む素振りも見せつつ、もう一押しがあったら入ってもいいかなとも思っている。僕はそれを的確に読み取ってこう言うんですよ。パスタとか軽食もあるよ、どうかな、と。こういう思考とやり取りがクソめんどくせえので一人で行きます」

上「なんていうか、よく人間社会で生きていけてるね?」

柴「自分でもよく思います」

上「あとそれは大分偏見じゃない?」

柴「友達にもよく言われます」

上「さらに言うと、思ったことを本音でズバッと言い合えるのが友達じゃない?」

柴「それは初めて言われましたけど、確かにそうですね。いや、いないわけじゃないんですよ? でもその人と予定合わなかったりすると、結局一人で行っちゃえってなるじゃないですか。それこそ誰か一緒に行く人いるー? とかってやると地雷踏むし」

上「あたしの友達を地雷って言うな」

柴「そもそも仲いい友達でも、日程合わせる時点で、一発で合わなかったらめんどくさくていいやってなりますね」

上「うぐ、確かにそれは分かる」

柴「そうなるとやっぱり一人で行って、余計なこと考えずに楽しんでってのが一番楽だと思っちゃうんですよね」

上「そうなんだなあ」

 

(CM)

 

 

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第四回ふわふわラジオ(1)

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

上「皆さんこんばんは! 『ふわふわラジオ』のお時間です! 第4回のMCはなんと! 上崎茜(CV.前島亜美)でーす!」

柴「なんと上崎さん、今日で4度目の出演だそうですよ。あ、もう一人のMC柴山蒼汰です」

上「新番組新番組言ってますけど、もう4回目だってよ柴山さん」

柴「もう5月も終わ……らないんですよね。5月長くないですか」

上「ゴールデンウィークあったからそう感じるだけじゃないの」

柴「初回放送ゴールデンウィーク中だった番組が言うことじゃないですね」

上「そーだった。まーいいや今週もはじまります! よろしくぅ!」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「しゅわりん☆どり~みん(Pastel*Paletts)」

 

(無言)

柴「はい」

上「あのさあ……」

柴「いいですよね、パスパレ」

上「いやいいけどさあ……! あたしも好きだけどさ! 彩ちゃんの脳溶けボイスずっと聞いてられるけどさ! お風呂場で爆音で流してると天国かと錯覚するけどさあ!」

柴「そこまで好きだとは」

上「パスパレだけで専用プレイリスト作ってるくらいには好きだけど、でもさ……この番組、アニメ情報局じゃないんだからさ……!」

柴「まあその辺で。今回はリクエスト曲ですよ」

上「ん? ならしゃーないか」

柴「切り換え早」

上「募集しちゃったのはうちらだしね。コメントもあるの?」

柴「はい。P.N.(四)十五の夜さんからのリクエストです」

上「その夜、虚しくないか?」

柴「ノーコメント。『上崎さん、柴山さん、こんばんは』」

 

二人「「こんばんはー」」

 

柴「『上崎さんには怒られそうですが、私が一番好きな曲をリクエストします』」

上「怒られるのはちゃんと分かってるのか」

柴「『私は若いころからアイドルを応援していましたが、最近はアイドルも大人っぽい曲や社会派ソングなどが増えてきたように感じます。そんな中で出会ったこの曲はザ・アイドルソングと言えるもので、アニメをあまり見なかった私もすぐに好きになりました』」

上「あー」

柴「『妻や娘と一緒に毎日聞いています』」

上「……は?」

柴「『勿論、ふわふわラジオも家族みんなで聞いています! これからも楽しみに聞かせていただきます』だそうです。嬉しいですね」

上「嬉しい……かなあ……?」

柴「そりゃあもう」

上「だって、あたしの男をとっかえひっかえ発言とか、男女差別について語った前回とか、ブルマの話した時とかも、家族みんなで聞いてるんでしょ? 地獄じゃない?」

柴「全部自業自得じゃないですか」

上「しかも、え、パスパレの曲を家族みんなで聞いてるの? これは一人の時間ににやにやしながら嗜むものでしょ?」

柴「全方面に失礼な偏見だと思いますよ」

上「はー。変わった人たちもいるもんだなあ」

柴「実際、みんなどうなんですかね。上崎さんたしかアイドル好きの弟がいるんでしたよね?」

上「うん」

柴「実家暮らしですか?」

上「あたしはもう出てるよ。弟は実家」

柴「てことは結構、家族の前でアイドルを応援する機会もあるんじゃないですか」

上「ああ……あるのかも。てか、あるね。あたしが実家帰った時も、日中のリビングでアイドルの映像に叫ぶ弟とそれを横目で見ながらモンハンをする私ってシーンが、そういえばあった」

柴「モンハンはどのタイトルが一番好きですか」

上「やっぱり一番やったのは2ndG……って、いや! その話もしたいけど、ちょっと今は待とう! アイドル!」

柴「はいはい、そうでした」

上「実際、同じ部屋で見てるってだけなら、そんなに気にならなかったかも?弟がそれに鼻の下伸ばしまくってたら分かんないけど、ライブ映像とかだと、あんまりきもいとも思わないしね」

柴「アイドルのライブってひたすらかっこいいですよね」

上「わかる。見た目可愛いキャピった子とかが、めっちゃ真剣な表情になってたりしてね。興奮してきちゃうのは、わかる」

柴「まあ、それならアリじゃないですか。パスパレを聞くのも。このラジオを聞くのも」

上「うーん……まあ、趣味は人それぞれ。楽しみ方も人それぞれか、うん」

柴「ところで上崎さん、お風呂の中で音楽聞いてるんですか? どうやって?」

上「え? あー、どこだっけ、どっかで買ったスマホの防水ケースに入れてさ。風呂場でたぷたぷ弄りながら音楽かけてるよ。めっちゃ響いて気持ちいいんだよね」

柴「へー、いいですね。アマゾンで探してみようかな」

上「お風呂と言えば、さ。安いマンションとかの、風呂トイレ一体型のあれ。あれ、私許せないんだよね」

柴「許せないと来ましたか」

上「もっと言うと、あれを考えた人が許せない」

柴「そこまで?」

上「あれが存在していることで、逆に風呂トイレ別の部屋の価値が上がり、そっちの家賃が高くなっているとこもあると思うのよ」

柴「そうですかねえ。昔の物件とかだと寧ろ、風呂無しアパートとか見かけますけど。普段はトイレとしてしか使わないようにして、でもどうしても必要な時には使えるって考えれば超便利では?」

上「う、ぐっ……成程」

柴「というか実際そんなに風呂って入ります?」

上「えっ」

柴「距離を取らないでくださいよ。いや、僕は普段シャワーで済ますことが多いので、あまり不便に感じたことが無いというか」

上「入るけど。毎日、夏でも毎日入るけど。なんなら一日三回くらい入るけど、休みの日は」

柴「ええー。なんか、身体中ふやけそうですね」

上「指先ふやけたことはある。あたしその時カードゲームにはまっててさ」

柴「上崎さんからオタクじゃないエピソード聞いたことない気がしてきました」

上「あたしもなんか、自分がオタクな気がしてきた。それで、なんかその日は指先怪我するなーと思ってたのよ。こう、スリーブの端ですぱすぱと」

柴「うわあ。絶対痛いやつじゃないですか」

上「なんで気づいたんだっけなあ。もしかしてあたし、風呂入りすぎ? ってなって。1週間くらい1日1回に抑えてたら治ったんだよね」

柴「お湯ってどうしてるんですか? 次はいるまでに冷めちゃいそうですけど」

上「あー、うん。すぐはいるときはそのまんまだけど、朝はいって昼とかだと追い炊きしたり。夜まであいちゃうと捨てて入れ直すことになるかな」

柴「水道代やばそうですね」

上「ヤバいよ。あたしの給料は食費と水道・光熱費で大体消えるよ。それでも美味しいもの食べたいし風呂には入りたいんだよ。しょうがないよね」

柴「思い切りがいい人ですね」

 

(CM)

 

 

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第三回ふわふわラジオ(3)

 

 

柴「会社の飲み会ってマジ行きたくねーよなーの話です」 

上「柴山さんってあんまり酔わないほうだったりします?」 

柴「あんまりどころか、ほとんど全く。味もジュース+苦味みたいな感じで、美味しいと思えなかったんですよね。なので酒を飲むメリットが感じられず、全然飲まなくなっちゃいました」 

上「あー。じゃあ飲み会に行っても?」 

柴「そうです。酒飲まないから割り勘だと損するだけだし、酔った連中の内容の薄い話を聞き流すだけの時間だし、なんにもいいことありませんね」 

上「えっと、あたしが言うのもアレだけど、そんなに言って大丈夫? 局の先輩とか聞いてるんじゃない?」 

柴「いやいや、そういうことを大学にいたうちに学んだので、会社入ってからは全然行かないんですよ飲み会。新人の歓送迎会だけは参加しますけど、必ず幹事をもぎ取ってご飯の美味しい店を予約しています」 

上「強かだ……」 

柴「上崎さんも行かないって言いましたよね?さっき」 

上「あたしはお酒飲むし、身体はしっかり酔うんだよ。ふらつくし、飲みすぎると気持ち悪くなるし、声も大きくなったり。でもけっこう思考がはっきりしたままだったりしてさ」 

柴「うん? どんな感じですか?」 

上「なんて言うんだろうなあ……他の人の酔い方が分からないからアレだけど、ふわふわした、幸せな感じにならないというか。おっきい声出した次の瞬間に、何やってんだ自分。もっと声抑えろやって自分を責めたり」 

柴「酔いきれない……って感じなんですかね」 

上「そーなのかな?あたし液体の飲めないから、強いの飲めば酔えるかなーって思ったこともあったけどね。トイレに籠って終わったよ」 

柴「てことは、飲み会の時の感じ方は僕とほぼ同じでしょうか?」 

上「酒飲まない故の虚しさは無いけどね。こっちの頭が冷静な状態で、頭まで酒に侵された人の話聞いてるとさ、心の中で色々ツッコミを溜め込みながら笑顔作るの怠くてさー 

柴「普段はすごくいい人だったりするんですよね、意外と」 

上「よく、酒の席で見える人柄がその人の本性だーとか言って、飲み会を絶賛する人いるけどさー。別に求めてないんだよねそういうの。内心何思ってようが、理性で自分を律して穏やかにいる人はそれで十分いい人なんですよ。別にその人の本性なんて見たくねーんだわ」 

柴「友達や家族は本性見せ合って語り合いたいですけど、仕事仲間にそういうの要らないですからね。うまく付き合って、仕事を完遂させられればいいのに」 

上「そんなわけで仕事の飲み会はあんまり行かないです。最初っから断りまくってたらそういう人だって割り切られたよ、今は」 

柴「上崎さん、4年制大学卒でしたよね? 会社入って3年でよくその立場を築きましたね」 

上「元々あたしの職場は、仕事内容は二の次で給料福利厚生重視のタイプが多いとこだからね。あたしは飲み会嫌い系の人なんだなって、割とすぐ受け入れられたかな 

柴「おお、いいですね。逆にどんな人が飲み会至上主義なんでしょうか」 

上「俺は人との繋がりで仕事をやってきたんだぜって言う人」 

柴「あああ……(笑)地雷ですね」 

上「別にさ、そういう人が悪いってわけじゃないんだよ。実際、それで仕事がスムーズに進んでるし、すごいとは思う。でもさ、この先もそれじゃ、駄目だよね?」 

「勤務時間外のやり取りで次の仕事決まったり、ルール外のこと内密に話してたり、明らかにずるいですよね」 

上「あくまで飲み会は仕事じゃないんだよ、だって給料出ないんだもん。そこで仕事とって自慢気な顔されるとそうじゃなくない?ってなる。あなたのそれはズルですよ?って」 

柴「タバコもそうですよね。何休憩所で仕事の詳細詰めてるんですか」 

上「んで帰ってきてこう決まったから~って、あたしの知らないところで決まってる。おかしいでしょ」 

柴「別にいいんですよ、飲み会も、タバコ休憩も。好きにやってください。でも、そこにいない人が関わる仕事をその場所で決めるのは絶対おかしいし、それに参加するようにって言われるのも更に論外ですよねえ 

上「それが当たり前になって引き継がれていくのが一番の問題だと思うよ?新社会人に飲み会には積極的に参加することが仕事の獲得に繋がるとかよく恥ずかしげもなく言えますねと、思っているけど社会がそうだから仕方がない。結局社会が間違ってるってなって話が大きくなりすぎて終了するけど」 

柴「そこまで行くと手に負えませんもんねえ」 

上「自分ができる範囲で、ルールに反しないくらいで細々と抗ってくしかないんだよ」 

柴「僕らみたいな人が増えれば、社会の流れが変わってくるかもしれないし」 

上「なんかあたし、選挙思い出した」 

柴「あー。確かに似てるかも」 

上「あたし達に社会を変える力は無いけど、あたし達まで流されたら絶対に社会が変わらないと思うと、ね。最後の防波堤にでもなってやるしかないじゃん?」 

柴「同じことを考える人が増えれば、社会の流れが変わるかもしれないってのも同じですね。票数の話」 

上「だから選挙に行こう? っていうね」 

柴「最近の若者……って、一括りにしちゃうのは失礼かもしれないですけど。なんか、無力感ってやつに、慣れてないんでしょうかね」 

上「あー。大事だよー? 慣れておくのは。社会に出ると日々無力感を感じることばっかだよ。それでもさ、できることをやってくしかないんだよね」 

柴「無力だからってやらないと、最後の希望もなくなってしまいますからね。自分の望む方向に向かうまで、希望をつなぎ続けていくんです 

上「めちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってるね」 

柴「上崎さんもですけどね。でも、これは、なんですかね。体験しないと分からないんですかねー」 

上「挫折っていうかね。うまくいかないなーって時は、人生に必要なのかもしれない」 

柴「25歳が人生を語ってる……」 

上「濃いよー、25年」 

柴「これからも濃い人生を過ごしていきたいですね」 

上「28歳が年寄りみたいなこと言ってる……」 

柴「さて。それでは締めに入りましょうか」 

上「あー今日はなんか疲れたなー!」 

柴「来週は上崎さんのバカ話を聞く回に戻りたいですね」 

上「あたしだけバカ枠なの? 心外なんだけど」 

柴「番組ではおたよりを募集しています。内容は自由。語ってほしいトークテーマ、今までの放送に対する意見や反論、その他、僕や上崎さんに聞いてほしい話などなど。どんなことでも構いせんので、送ってください。そろそろ話題が尽きそうなので、首を長くして待ってます」 

上「あ、あとリクエスト曲も募集中! 意外とそれを元に話が進んだりするから大歓迎です!なんでその曲が好きなのか、とか語ってくれてもオッケーよ!」 

柴「過去の放送見たら意外でもないでしょうに」 

上「まあ確かに、曲の話ばっかしてるか」 

柴「そんなわけで、お待ちしております。それではまた来週」 

上「締めの挨拶とか決まってたっけ」 

柴「いや別に」 

上「じゃあせーのでいこっか!」 

柴「えっ」 

上「せーのっ」 

 

上「ばいなーら!」 

柴「さよなら~……」 

 

 

(ED) 

(曲)「番組テーマソング(瀧田樹里)」 

 

 

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第三回ふわふわラジオ(2)

 

 

柴「本日は炎上覚悟な話題でお送りしております」 

上「柴山さんいっつもそれ気にしてるよね」 

柴「いまどき簡単に燃えますからね。正直、女性は~って主語で話した時点で燃えると思ってます」 

上「男性は~じゃあんまり燃えないのにね。というか、大して注目もされない」 

柴「それだけ関心が高く、不満が大きい方のいる問題ってことなんでしょうけど」 

上「じゃあ女性専用車両の話も燃えるかな?」 

柴「ごうごうと音を立てますね、もう」 

上「あれさ。女性を性的に見るな! 私たちは弱者なんだから守られるべきだ! って主張なわけじゃん? 男女平等を語っておきながらちゃんちゃらおかしいぜ」 

柴「ちょっと」 

上「悪いが私は男性を性的に見ているぞ」 

柴「ちょっと!」 

上「でも世のカップルがしっぽりと夜を過ごしている以上、多くの女性だって男性を性的に見ているわけでしょ? なのに女性だけ守られるのって、不思議じゃない? 性的にみられている、から、手を出される可能性がある。なら女性が男性に手を出すことだってある。男性専用車両も作ってからモノを言って?」 

柴「まあ、それは、確かに」 

上「但し今の時代、LGBTだのなんだのの問題もあるから。女を性的に見てる男が犯罪に走るって理論なら、女を愛する女のことも当然乗せないんですよね? 性自認が男性の身体が女性の場合は? その人が男を好きか、女を好きかは? 聞いて回ってみろよって 

柴「おおう、言いますねえ」 

上「いや、ごめん、熱くなっちゃったけど、いや。あたしは自分がエロいからこそ、性犯罪に対しての嫌悪感はものすごくありますよ。望まない性行為や、それに類するものほど嫌なことはないし、そうならないよう守るべきだとは思ってる。ただ、どうしても最近、声が大きい一部の過激派が目立ってしょうがないんだよねこの男女の問題は」 

柴「男だから女だからじゃなく、それぞれのケースで加害者、被害者として見なきゃいけないんですよね本来は」 

上「そうそう。それなのに、性の問題になると男は加害者! 女は被害者! みたいな主張する奴がいて、そういう奴が、目立つんだよ。別にみんながそう思ってるわけじゃなくてもねえ」 

柴「そのデカいだけの声に合わせて制度が変わったりしちゃうとやるせないんですよね」 

上「そうそう」 

柴「ちょっとズレるかもですけど、最近は結構強者と弱者の逆転のケースも目立ちますよね」 

上「ある! セクハラとか、それこそ痴漢冤罪とかね。守られるべき被害者……だったはずの人が、強者を陥れるための攻撃に使ってる。強者はみんな悪じゃないし、弱者はみんな善じゃないんだよね」 

柴「上崎さん、多分女性専用車両に反対じゃないですよね」 

上「おお。よくわかったね柴山さん」 

柴「まあ、相棒ですからね」 

上「きもいよ。やり直し」 

柴「このラジオの、相棒ですからね」 

上「ギリセーフ。そう、この場合痴漢の被害者、加害者の立場を無くすって意味で、この仕組みは全然ありだと思うんだよ。現状の通勤電車とかを見れば、全体から女性だけを分けるほうが専用車両を作りやすいし、合理的でもある。でも決して、それを当たり前だと思っちゃ駄目。どんなに混んでいても別の車両に乗らなきゃいけない男性に比べて優遇されていることを自覚するんだよ。で、それで終わりにする。卑屈になることもないし、申し訳なく思う必要もない。どこかで気を使って、男に遠慮するのも勿論要らない。ただ、そういう事実として、今の自分の立場を知っておくんだよ 

柴「まあ多分、多くの一般女性はその辺しっかりしてるんでしょうけどね。さっき上崎さん言ってたように、声が大きい一部が目立つだけで」 

上「今の時代、誰もが発信できるから、強く訴えたいことがある人のが明確に強いんだよね。自分から声を上げる人と、声を上げない人の差がどんどん開いていく。でもネット上で同じ意見が多いからと言ってそう思ってる人が多いとは限らない」 

柴「このラジオが炎上したとしても、肯定的に聞いてくれている人が多いかもしれないと」 

上「逆もあり得るけどね。炎上しなくても不満があって聞くのやめてく人がいるかも」 

柴「……どう生きていけばいいんですかね」 

上「自分の意見を持って生きていくしかないと思うよ。周りの意見に流されない。話を聞かない、じゃなくて、世間の主流ってやつを気にしない。自分で色んな情報を得て、考えて持った意見でいる。流されるのは駄目だけど、その意見を途中で変えてもいい。上手く言えないけどそんな感じかな 

柴「ふわふわな知識でふわふわな話してる僕らが言えたことじゃないんですけどね」 

上「知らないことばっかりだよねえ」 

柴「情報に溢れてるくせに、興味ある情報以外は全然入ってきませんもんね」 

上「好きなものに関する情報だけでも大量にあるからね。結構玉石混合だけど」 

柴「google先生とか、僕らの好みに合わせて提供する情報変えてきますからね」 

上「やばいなー先生は。甘やかしてくる。甘やかされて私たちは無知になっていく」 

柴「SNSも含めて、友人知人も似た考えや価値観の人で固まりますし。そうすると議論にならないから物事の新たな見え方も取り入れられない」 

上「今や職場の飲み会も参加しなくていい、みたいな風潮だもんね。昔はああいうとこで、価値観の違う人と触れてたんだろうなとは思うよ。あたしは行かないけど」 

柴「行かないんですか」 

上「酒が無ければ行く。酔った年上ほどめんどくさい奴はなくない?」 

柴「超わかります。一旦CM入れますね 

上「はーい」 

 

(CM) 

 

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第三回ふわふわラジオ(1)

 

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』 

 

上「皆さんこんばんは! 『ふわふわラジオ』も第3! MCその1のほう上崎茜(CV.悠木碧)ですよろしくお願いしまーっす!」 

柴「MCその2芝山蒼汰ですよろしくお願いします 

上「また今週も放送日がやってまいりました 

柴「そうですね」 

上「はい」 

柴「……」 

上「なんか話題ありませんか?」 

柴「三回目にして早くも話題が消えましたか」 

上「いやだってオープニングトークって一番難しくないですか。そもそもこの番組終始フリートークみたいなもんなんだから、一回一回すごい勢いで話題のストックが削られてくしさー」 

柴「そうですね。取り敢えずタイトルコール行きましょうか」 

上「そうだねお願いします!」 

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』 

(CM) 

(曲)「キラキラ(小田和正)」 

 

上「誰の曲?」 

柴「小田和正さんです」 

上「あー……なんか聞いたことあるかも」 

柴「曲を?」 

上「名前を」 

柴「まじですか 

上「や、前も言ったけど、あたしそんな歌とか詳しくないし。ボカロとアニソンばっか聞いてるし」 

柴「まあ、僕も父の影響で聞いて、知ってるんですけどね」 

上「世代じゃないんだ」 

柴「現役の方の話で世代じゃない、とはなかなか失礼ですよ……父の運転する車でよく聞いてたんです。どこかへ遊びに行った帰り、夜の車で、Aメロをうとうとしながら聞いて。すごいですよ、眠い状態であのサビ聞くと。なんていうか、すっごい幸せな感じになるんです」 

上「へー……体験してないからちょっと分かんないけど、かなり思い入れがあると」 

柴「歌手で選んで曲聞くことがほぼないので、小田さんの曲を多く知ってるわけじゃないんですけど……この曲は未だに、たまに聞きたくなりますね」 

上「思い出に連動した曲ってあったりするよね 

柴「上崎さんもありますか」 

上「んー、曲名も何も分かんないんだけど。学校の、掃除のときに流れてた音楽は、今でもたまに口ずさんじゃうなあ」 

柴「掃除のときに? どんな感じなんですか」 

上「なんていうか、掃除の時間ですよ~みたいな理由だったのかな。校内放送でずっと流れてたのよ。は~あっは~ああ~っはっあ~あ~あ~って」 

柴「それ歌詞ですか?」 

上「いやメロディーだけ。はに~おお~お~はっあ~あ~お~ 

柴「(笑)なんで微妙に歌詞っぽいんですか」 

上「なんかこんな感じだったと思うんですよねえ」 

柴「上崎さんの学校で流れていた曲に心当たりある人は、是非おたよりをください」 

上「おねがいしまーす! 誰か分かるかなあ」 

柴「分かんないでしょうね」 

上「やっぱり?」 

柴「そもそも今学校の掃除って自分たちでやるんですかね」 

上「やるんじゃない? えっ、やってないのかな」 

柴「なんか今の学校って、我々いた頃と大分変ってますからねえ。何が変わっててもおかしくないかなと」 

上「まあ確かに……知ってる方いたらおたよりくださーい!」 

柴「おたよりに頼りきりの番組だ……」 

上「まだ一通しか来てないけどね。先週の」 

柴「上崎さんが先週の放送で募集の呼びかけ忘れるから……」 

上「あたしのせい? 柴山さんだってしてなかったじゃん。まー時間も無かったしね」 

柴「まあそれは置いといて。なんで学校こんなに変わったんでしょうね? 僕たちの頃と両親の頃には、聞いた限りあんまり変わりが無かったのかなと思うんですが」 

上「いや~あたしたちが知らないだけで、結構変わってたんじゃないの? ほら、体育の時の、ブルマとかさ」 

柴「上崎さんブルマ世代でしたっけ」 

上「なんでやねん。柴山さんより下だもん。そんなわけない世代でしょ」 

柴「あれは不思議ですよね 

上「あれ?」 

柴「ブルマの存在」 

上「まあ、あれこそ最大の男女差別だよね 

柴「昔もっと男女差別が酷かったころに作られた物だろうから、今の基準で穿り返すのはあんまり意味ないんでしょうけどね」 

上「今使ってないんだからそれでいいじゃん、といえばそう。でもさ」 

柴「はい?」 

上「ブルマ、布の量とか位置的にさ。ほぼ下着じゃん?」 

柴「まあ、そうかもですね」 

上「それはよくないとなったわでしょ? 

柴「そうですね 

上「女性のビキニってさあ」 

柴「(笑)」 

上「あれほぼ下着だよね。なんであれはいいんだろうね」 

柴「いや、ほんとに。それ言ったら男性もですよね、水着 

上「海で履いてるようなダボっとしてるのはセーフでも、ピッチリしたやつえっろいよね。でもガチで泳ぎたい人は、それ履くじゃん?」 

柴「僕、陰キャなんで高校くらいまでずっとピッチリしたのしか持ってなかったんですよね」 

上「今度一緒にプール行こうか」 

柴「流石にもう持ってますよというかセクハラ! 

上「女から男へのセクハラは逆に比べて微妙に問題にならないのも変な話だよねえ」 

柴「今セクハラしたばかりの人が言うセリフじゃあないですけどね」 

上「まあさ、理論的にはわかるよ? 体育で、学校の校庭。住宅街の真ん中か、或いはコンクリートジャングルか。そこで下着みてーなもん履いてるのがなんか嫌と。それはすごくわかる。でもなんでビキニはいいってさ、おんなじ人がさ、言ったりするんだろうね」 

柴「ほとんど同じなのに?」 

上「しかもブルマのほうが下着履いてて、それ自体は隠れてるのに。いや水着だって布ぺら一枚じゃあないけど、それでも防御力的には水着のが弱いじゃん? なのに海ではアピールタイムで、学校では見るな変態! なのけっこう不思議だよね」 

柴「上崎さんはそうではないと?」 

上「ダサいからブルマは嫌だけど、あたしはそれだけだからね。というかあたしは参考になんないよ、常にアピールタイムを探してる人間だもん。この美貌を! 見ろ! 

柴「多分、それじゃないですかね」 

上「ん? 顔の話?」 

柴「いや、タイミングの話。自分からアピールしたい、見てほしいってタイミングならある程度良いけど、日常の中でエロい目で見られるのは普通に嫌みたいな感じ」 

上「あー 

柴「誰も彼もが上崎さんみたいに常にアピールタイムな人生を過ごしてはいないってことじゃないですかねえ」 

上「じゃあ町の人達は、道を歩いてる時とかにあーなんかイケメンにナンパされねえかな!スカウト来たりしねーかなー! とか考えてない、と?」 

柴「そんなこと考えて生きてるんですか。多分、ね」 

上「えー」 

柴「だって、そういう上崎さんだって、ちょっとコンビニで酒買おうって家の電気点けたまま外出た時にナンパされたら邪魔じゃないですか? 

上「……確かに。黙れあたしは家に帰るぞってなるね」 

柴「まあ例えは上手くないですけど、そんな感じなんじゃないですかね。今じゃねーんだわ!って」 

上「なるほどなあ」 

柴「CMです」 

 

(CM) 

 

 

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第二回ふわふわラジオ(3)

 

上「柴山さんって歳幾つ? ですか?」

柴「あれ、また微妙に敬語ですね」

上「いや、うーん……基本的には普通に話すけど。質問とか、ですます付けたほうがいい感じになるものもあるじゃん?このじゃんってのも結構気に食わないんだけど」

柴「あー……なんとなく、わかります」

上「敬ってなくても敬語使ったほうがいい時もあるよね」

柴「今敬ってないって言いました?」

上「やっぱこのごちゃまぜなスタイルがあたしには合ってるかなーって。で、幾つなんですか」

柴「まあどっちでもいいんですけどね。歳は……ええと、28とかだったと思います」

上「あれ? 意外と若い。しかも曖昧」

柴「老けて見えます?」

上「そーでもないけど、話し方が落ち着いてるから」

柴「入社してすぐから実践で人前に出る機会を多く戴いてたので、慣れはあるかもしれないですね。あと曖昧なのは、このくらいになってくるとしょうがないじゃないですか」

上「えーでもちょっと早い気はするなー」

柴「実際、女性は分からないですけど、僕なんかだと20越えたらあとは30まで大して変わらないんですよねえ。老けたなあって感じる瞬間は、高校出てからしょっちゅうありますし」

上「酒飲めるようになれば一緒ではあるかも。あと、その前だけど結婚?」

柴「まだ縁が無いですねえ」

上「この話は今度にしましょう、空気が重くなる」

柴「なぜ年齢の話を?」

上「いや、タメ口を交えていくことが正式に決まったんで、一応聞いとこうかと思って。めっちゃ年上なら流石に考えたほうがいいかなあと、思……ったり思わなかったり」

柴「正式に決まってたんですか。まあ、私も上崎さんにならいいかなと思ってましたし、気にしませんよ」

上「お? もしや私に気がある?」

柴「いいえ」

上「いいえて」

柴「そもそも何度も言ってますけど、まだ会うの2回目ですし。お互いのこと全然分かってないじゃないですか」

上「漫画とかでよく一目惚れってあるじゃないですか? あれ本当にあるのかな」

柴「上流階級では……って話は前回しましたっけ。むしろこの話だと逆ですよね、そんなに他の人の顔面酷いの?っていうか」

上「あー。やっぱりそう思う?」

柴「実際、芸能関係者の方とかと接する機会が多いからわかりますけど、顔がいい人って実は意外といるんですよね」

上「うんうん。あたしもね」

柴「顔見てカワイイ! 好き! ってなるんなら毎日のようになってるでしょって考えちゃうんですよねえ、そういう展開見ると」

上「ねえあたしは?」

柴「下手に容姿に言及するとセクハラ判定とられる世の中じゃないですか」

上「クソみたいな世の中だよね。あたしはバンバン褒められたいのに」

柴「じゃあ言いますけど、顔はすごくいいですよね」

上「なんか言い方引っかかるけど嬉しい!」

柴「話を戻しますと、一応上崎さん芸能界の人ってわけじゃないじゃないですか、微妙に」

上「ラジオ一個やってるだけで名乗れるほど甘い世界じゃないだろうしねえ」

柴「つまり一般人。一般人にもこれだけ綺麗な人がいるんですよ?なのに一目惚れするほど突出した綺麗な人、周りと全然レベル違う人なんてそんなにいるか?と思っちゃうわけです」

上「あたしが突出してるほうだって可能性は」

柴「一目惚れされたご経験が?」

上「ないね」

柴「ほら」

上「なーんか強引な理論ではあるけど、まあおおむね同意って感じです。イケメン、多いよね! でも好きにはならねえ!」

柴「そもそも上崎さん人を好きになったことあるんですか?」

上「お? 喧嘩か? あたしの歴代彼氏トーク喰らってみるか?」

柴「長くなりそうなんで次の機会にお願いします」

上「ここで『長くなりそう』ってさり気無いフォロー入れてくれるの素敵だと思いますよ」

柴「因みに上崎さんはお幾つなんですか?」

上「今度、性差別とかジェンダーの話しましょう。柴山さん」

柴「唐突。……あ、もしかして年齢聞いたのまずかったですか」

上「むしろ逆というか。いや、その質問でふと思い出したんですよ。あたし、女性の権利をーとか平等をーって叫びながら『女性に何々の話をするのはマナー違反です』とか言う輩が鬱陶しくてしょうがないんですよね」

柴「ああ、そういう。矛盾というか、権利の主張ばっかするタイプの人の話ですね」

上「おっ、話が合いそう。てわけで、今度ね。長くなるからね絶対」

柴「燃えそうだなあ……」

上「燃えてなんぼの番組ですよ、多分だけど。歳は25です」

柴「あ、じゃあそんなに変わらないですね」

上「うん。よろしくな柴山さん!」

柴「はいはい、分かりましたから」

上「まあ今更年功序列とかって時代じゃないけど、それでもやっぱり年齢差によって対応って変わるよね。それこそ、2、3歳差位までかな?」

柴「学校で一緒だったくらいの範囲ですね」

上「あー、そうかも。その辺でこう、体に染みついてきてるのかな」

柴「まあその時は敬語使ってたわけですけど」

上「ほんと? あたし結構馴れ馴れしかったかもなー。それこそ何々っスよ! みたいな」

柴「年上年下を最低限意識した友達、みたいな?」

上「まさにそんな感じだったなー」

柴「今でも付き合いのある先輩、後輩とかいます?」

上「いる! けど、会うことはそんなに多くないかなー。今どきSNSで簡単にやり取りできるし、わざわざ会わなくても仲良しのままでいれちゃうんだよね」

柴「僕の学生時代は微妙にその時期外れてるんですよね。だから、上下で残ってる繋がりは大学の頃のが多いです」

上「寧ろあたしはそのあたりの頃、学生の時からSNSでのやり取りがメインだったり」

柴「おお、そうだったんですか? 面白いですね」

上「ゲストとか呼んだりしないのかな? ジェネレーションギャップトークとかしてみたいなあ」

柴「検討してもらいましょうか。予算の許す範囲で……」

上「その問題があったかー」

柴「ところで、上崎さん」

上「はいはい?」

柴「そろそろお時間です」

上「だよね。新たに話始まるかと思ってびっくりした」

柴「どうでしたか第2回放送は」

上「今日で柴山さんとは完璧に仲良くなれたかな!」

柴「ふっ……」

上「何故鼻で笑う」

柴「コミュ障を舐めてもらっちゃ困りますよ。あなたはまだ、柴山蒼汰の表面を浚ったに過ぎないのです……」

上「えー……むしろこの辺でいいでしょ。仲良くなったていで表面上のお付き合いをしていきましょう」

柴「なんて人だ」

上「あ、次回のリクエスト曲は柴山さんお願いしますね」

柴「え?」

上「そんなわけでお時間です!リスナーの皆様、是非また来週もお付き合いくださいね!シーユー!」

柴「ちょっ、あの、ええ……」

 

(ED)

(曲)「番組テーマソング(ずっと真夜中でいいのに)」

 

 

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