ポっと出に敗れる

「ふわふわラジオ」を連載しています。

第一回ふわふわラジオ(1)

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

 

上「はいどーも皆さんこんばんはー! 始まりました『ふわふわラジオ』! MCの上崎茜(CV.吉岡茉祐)ですよろしくお願いしまーっす!」

柴「同じくMCの芝山蒼汰ですよろしくお願いします」

上「柴山さん、柴山さん!」

柴「はいはいなんですか」

上「始まりましたよ『ふわふわラジオ』! おめでたいですねー!」

柴「そうですね。けどこのおめでたさがまだあんましね、リスナーの皆さんに共有されてないと思うんですよね」

上「回りくどっ。なんですかーもう、はっきり言ったらどうですかっ!」

柴「つまりですね。この『ふわふわラジオ』がどんな番組なのかを紹介してから、みんなでおめでとうしよって言ってるわけなんですよ」

上「おーなるほど! さっすが柴山さん、それではさくっと紹介してください!」

柴「あ、僕がするんですね。まあいいんでしょう、おほん。」 

柴「『ふわふわラジオ』は、リスナーさん達から頂いたふわっとしたトークテーマを元に、我々MCがふわっとした知識でふわっとしたトークをしつつ、ゆるっとした答えを出していこうというラジオ番組です」

 

上「ナイス!ナイス説明、柴山さん! 完璧ですね!」

柴「まったく、上崎さんはいつもいつも……しっかりしてくださいよ」

上「そんなわけで!」

柴「局一番の元気っ子、上崎茜さんと」

上「脱力系男子な柴山蒼汰さんがお送りする」

 

二人「「『ふわふわラジオ』を、どうぞよろしくお願いしまーす!」」

 

(SE)『ふわふわ〜ラジオ〜!』

(CM)

(曲)「ふわふわ時間桜高軽音部)」

 

上「きっも」

柴「はい暴言」

上「いや待ってください、違うんですよ」

柴「今の一言で上崎さんは全国のオタクを敵に回しました。初回からやってくれましたね」

上「小言キレッキレじゃないですか。いや違うんですよ、私も好きですよ放課後ティータイム

柴「桜高軽音部版でしたけどね」

上「は?」

柴「なんでもないですよ」

上「……けいおん好きですよ私も、アニメ見たし、映画までちゃんと見ました」

柴「おお、それは確かに、ちゃんと見たと言える量見てますね」

上「でしょ? 可愛いですよね〜みんな。歌も好きですしCDも何枚か持ってました、が! 初の全国放送オタク向け番組でもないこの番組で、一発目ふわふわ時間は違わないですかー!?」

柴「ああ……それはまあ、わかりますね」

上「でしょ!? 私がキモいと言ったのは曲やそれを好きなオタクの皆さんではありません。一曲目にコレを選んでにちゃあって笑ってるプロデューサーですよ聞いてんのかこのぉ!」

柴「ははは、放送中は何も言われないからって発言が強気ですね。プロデューサー凄い目でこっち見てますよ」

上「しょーがないじゃないですか大体なんだよ局一番の元気っ子って! キャッチコピーからオタク臭がするんですよね、子って歳じゃないわまず!」

柴「いや台本にそう書いてあったんで」

上「わかってますよー勿論プロデューサーへの苦情! 継・続・中!リスナーの皆さん、勘違いしちゃ駄目ですよ!? 序盤のやり取り全部台本ですからね!?」

柴「それこそ序盤から暴露する裏事情ではないですけど……まあ、そうですね。そもそも僕、上崎さんとお仕事するのも初めてですし。へぇー元気っ子なんだーと思ってましたよ」

上「私も台本読んでどんなイケメン君が来るかなーって思ってたのに、ね! 顔はいいけど実態根暗オタクじゃないですかこの人!」

柴「言ってくれますね美人だけど荒っぽい人」

上「お互いフォローは忘れない優しい人ってことがわかりましたね! 取り敢えずコーナー行ってみましょうかギスギス空気を変えてくれ!」

 

(SE)『ふわふわ~ラジオ~!』

 

上「あ、SEおんなじなの?」

柴「低予算ですからね。まあ、だからこそ僕らも緩く喋れますし、プロデューサーも好き勝手出来るんですけど」

上「その好き勝手に関しては次回からやめさせるとして、低予算なら仕方ないですね。とはいえ、コーナーはあるんですよね? なんでしたっけか」

柴「ふつおたのコーナーです」

上「……なんて?」

柴「ふつおた。普通のお便りの略ですね」

上「いやそれは分かりますけど。あれ、それが最初? てかお便りなんて募集してましたっけ?」

柴「低予算なので宣伝もあまりしてないですね」

上「いや、そこはしてくださいよ。え、てか、じゃあ駄目じゃないですか。来てないんですよねお便り、コーナー崩壊では?」

柴「そう言うと思いましてね、プロデューサーがお便り書いてきてくれてますよ」

上「自由だなあ!」

柴「では読み上げます。『上崎さん、柴山さん、こんばんは』」

 

柴「こんばんはー」

上「はいはいこんばんは」

 

柴「『第1回放送おめでとうございます。そんなお二人に質問です、趣味はなんですか?』」

上「お見合いかよ」

柴「あー。趣味の質問ってなんか連想しちゃいますよね、お見合い。わかります。ガチガチに緊張した二人が机を挟んで座ってて、『あのっ!』て大ボリュームが被って。譲り合いの果てに片方が『ご……ご趣味は?』って消え入りそうな声で言っちゃうやつですよね」

上「早口きも」

柴「でも分かるでしょ?」

上「いや、まあ……確かに今言われた通りの内容ではあります。あたしお見合いの経験もないし、そういう漫画も多分読んでないと思うんですけど……なんなんでしょうねこれ?」

柴「ステレオタイプって言うんでしたっけ? なんかイメージ決まってるものってありますよね。現代だと絶対違うのに」

上「そもそも出会い系アプリ全盛期のこの時代にお見合いとかあるんですかね?」

柴「分かりませんよー。名家のお嬢様とかは意外に……これもステレオタイプか」

上「名家のお嬢様と言えば、許嫁って現実の存在?」

柴「上崎さん実はめっちゃオタクですよね絶対」

上「時と場合を弁えた優秀オタクですが何か。もう名家の、ってついちゃうと別の世界ですからね実質、なんでもありになっちゃうな」

柴「常識と価値観が違う人たち……異世界みたいなもんですよねえ。今の日本で言うと、天皇?」

上「そーなりますかねー。でもさ、皇族はまだ分かるんですよあたし。国のために色んな制約を受けて、ある意味では普通の人としても扱われない、その代わりの優遇や、いや、優遇って言い方は変か。待遇でしょ?でもその人たちとおんなじ学校に通ってたりする一般人はやばくない?」

柴「前世でどんな徳積んだんだって子供、いますよねー」

上「結局生まれである程度決まりますからね。平等なんて存在しないんですよ人間社会には。はー南無三」

柴「どうでもいいですけどこれ質問は趣味の話ですからね」

上「マジでどうでもいいですね。不憫な男の弱みに付け込んでアツい一夜を過ごすことです☆」

柴「待って」

 

(CM)

 

 

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